2016年8月の山行記です
無謀にもおかーさんに宣言した手前、これは行くしかない、登るしかありません。
それにしても山の日は8月11日。最初は11日に予定していたのですが、山ガールなどと言う呼び名が流行っている昨今です。祝日でもあり高尾山はじめとして山は混雑?することでしょう。奥多摩三山の一つである「大岳山」も御岳山から足を延ばす人たちも多いでしょう。と言う事で前日、おかーさんと一日遅らせて12日に行くことにしました。 当日は5時に起床。クーとメイを少しの間外に連れ出す。残念ながら今回もクーとメイはお留守番。 6時半ごろに家を出発。近くのコンビニでおにぎりを仕入れて御岳山ケーブルへ向かった。 御岳山ケーブルの滝本駅には始発の7時30分には間に合わなかったけど40分ごろには着いた。 駐車場に車を入れ、支度をして次の55分発には乗ることができました。 随分並んでるなと思ったら、「レンゲショウマ」が咲く時期で、9月11日までレンゲショウマまつりを開催中だった。
車内は満員だっけど、幸い二人とも狭い座席に座れ、約6分間の乗車で標高831mの御岳山駅に到着。 外に出ると生憎と雨が降っていた。この時点で、やっぱり昨日の方が良かったかなと、ふと思った。 しょうがないのでレインウエアを取り出し上着だけ着る。大勢いた客はほとんどがレンゲショウマ目当てで、御岳山方面へ向かうのは3組ぐらいだった。 予定よりやや遅く、8時20分にスタート。さあ無事に登ることができるか? 心配だけどとにかく行くしかい。 先ずは毎年正月に初詣に訪れる、武蔵御嶽神社の参道を歩く。 御岳ビジターセンターを過ぎて暫くすると参道は登りになってくる。いつもそうだが、この舗装路の登りはツライ。 やがてキツイ登りも終わり、両側に並ぶ土産物屋街を抜けると大きな鳥居が現れる。次の随身門をくぐりさらに石段を上ると分岐に出る。真っすぐ長い石段を上れば武蔵御嶽神社へ。だが今日は大岳山へ行くので左の山道へ。これで舗装路ともお別れです。
ダラダラ下って行くと左に茶店が一軒ある長尾平が広がっている。 ここまで27分。まあまあのタイムだ。ケーブル駅に置いてある「Mitake Map」では25分となっている。 ここから下り坂になる。やがて奥の院への分岐がある。ヨーゼフと登っていたころはよく奥の院~鍋割山を通って行ったものだ。でも今日は奥の院の急な登りは避けて迂回する。 道は一旦ロックガーデンを流れる養沢川へ下る。途中に水場があるが、充分持ってきているので通り過ぎる。 下りきったところに東屋がある。ここにロックガーデンからの道が合わさる。 この東屋でひと休み。ここまで1時間チョイ。10分ほど休んで出発するが疲れが取れない。何たってこんなに歩くのは昨年の三頭山以来、しかも普段は家でごろごろしてるので無理もない。
この東屋から大岳山まで2.2Kmの道標が立っている。 ちょっと登りがあり橋を渡る。ここからは芥場峠までずっと登りだ。ヨーゼフと雪の上を歩いたのを思い出す。 左、右と曲がった後はずっと一直線の登りだ。あとから来た登山者に道を譲り、私たちは休み休みゆっくりと登る。 約40分かけて芥場峠へ到着。随分疲れた。遠い記憶ではここの登りはそんなに厳しくなかったのでこれは予定外。 何はともあれ峠まで来た。道標には方向が示されていたけど、峠の名前は記してなかった。前はあった気がするが・・・ 峠で休む積もりだったけど、無理して作業小屋まで行くことにした。 10分ほどで奥の院・鍋割山からの道を合わせる。
さらに20分ほどで(こんなに掛かったけ?)ブルーシートを被った作業小屋が右に現れる。 たまらず休憩を取った。ここでレインウエアを脱いだ。もう汗びっしょり。 2003年1月11日にヨーゼフと来たときは、登山道のど真ん中に立て看板があり「この先アイゼンなしでは登れません。ない人は引き返して下さい。―大岳山荘」とあり、ここからは急な登りで岩場も出てくる。 ここまでの歩きで相当疲れがあった。ちょっと心配だったが、慎重に行くぞと心に言い聞かせ先へ進むことにした。 約10分立ち休みをとり出発。 急な登りが始まり、鎖や梯子も出てくる。この区間は昇り下りはあるものの意外とそれほど疲れなかった。 ただ、雨が降った後でもあり、滑るので神経は使った。 30分ほどで大岳山山荘前の広場に出た。大岳山荘は7,8年前に廃業し今は廃屋になったようだ。 それまでも週末と年末年始のみの営業だったけど。でも建物はそのまま残っていて、トイレも使用できるようになっていた。 ここでトイレ休憩を取り最後の登りに備える。 さあ、いよいよ最後の登りだ。 気を引き締めて取りかかる。山荘前の大岳山神社横を通って登り始める。 暫くは新しい丸太で階段状に整備されている。以前はなかったような気がする。
でも雨上がりでぬかるんでるのでよく滑る。帰りのことを思うとちょっと嫌になる。 途中から岩場が出てきて急登になる。手を使わないと登れないところもある。ここも帰りがちょっと心配。 以前なら、登りはちょっとだけど、下りは軽快に下りてた私なのにと不甲斐ない思いだ。 ヨーゼフも無理で抱いて上げた2ヵ所の急な岩場を登りきると、あとは緩やかな登りになり、ほどなく山頂へ到達した。 結局、コースタイム20分の区間を30分かけて登り切った。 山頂に着くと、大勢の登山者が休んでいた。 あれっあんなに抜かれたっけ? 他のコースから山頂を目指した登山者も勿論いるだろうけど、それにしても大分抜かれた気がするな。まっ、「山歩きは競争じゃないから」と自分を納得させる。
水をゴクゴク、次におにぎりを頬張る。おかかと昆布が私の好み。おかーさんはサケを口にする。 暫くする内に周りの登山者が下山し始めた。 やっと標識が空いたので、ヨーゼフを撮った。 次におかーさんとヨーゼフ、そして私と写真に収めた。 最後に登山者がいなくなったころを見計らって、ヨーゼフのお骨を南斜面に埋め、上に石で蓋をして分からないようにした。他の動物にも掘り起こされないでしょう。 これで昨年の「三頭山」と同じく「大岳山」にもヨーゼフとの思い出の山に、そして天国のヨーゼフから分かるように印しを付けることができました。 また来られるかは分かりません(多分もう来ることはないでしょう)が、もっと居たいけど下山のことを考えると思い出の山、大岳山ともそろそろお別れしなければなりません。 ヨーゼフに「おとーさんとおかーさん頑張ったよ。もう帰るからね」と心の中で呼びかけて下山することにしました。 私の登りの様子から山頂にいる時間はなるべく短くしようと思っていましたが、結局1時間も居てしまいました。
小学生の一団が先に歩いていて、引率者が岩場で「お先にどうぞ」と言ってくれたが、こちらも遅いので遠慮した。 大岳山神社までに一回滑って尻餅をついたけど幸い怪我もせずに大岳山荘前に到着。 御岳までトイレがないのでここで休憩。 10分ほど休んで下山を急ぐ。 芥場峠に着くずっと前から私の股関節が痛み始めてしまった。最近どうも左脚が上がりにくい症状がある。 岩場で脚の上げ下げをしなければならず、それが原因かもしれない。とにかく痛くてしようがない。 芥場峠で充分休みたかったけど、おかーさんが「確かケーブルカーの時間は4時30分だったと思うよ」と言うのでちょっと休んで先へ進むことに。 休み休み東屋までは辿り着いた(こんな表現がピッタリ)。 もう我慢できず、痛み止め(おかーさんには大分前から飲んだらと言われていた)を飲んで時間を気にしながら再び先へ進む。 そのうち痛みが少なくなり、道も良くなったのであまり気にしないで歩けるようになった。 こんなことならおかーさんが言うようにもっと早く飲めばよかった。 でも長尾平への登りではちょっと痛みが気になった。でも先ほどでもないので長尾平も過ぎて御岳山駅に着いたのは4時5分。おかーさんが駅の時刻表を確認しに行くと、なんと最終は6時30分だった。
ホッとして、並んでいた便には乗らず次の臨時便4時25分発にした。この結果帰りも座ることができた。 滝本駅に着くとおかーさんがソフトクリームを買ってきてくれた。 駐車場で登山靴を脱ぎがらソフトクリームを平らげ、一息ついて帰宅の途についた。 やったよヨーゼフ。 おとーさん、随分時間が掛ったけど大岳山に登ったよ。因みに2002年3月には奥の院を通って2時間16分でした。 天国で見守ってくれたヨーゼフも「おとーさん、頑張ったね」と褒めてくれたことでしょう。 1年2ヵ月ぶりの山歩きは何とか無事に終えることができました。 だけど、心配したとおり無事とはいえ痛いところは多々ありました。
それはそれとして、ヨーゼフを何とか大岳山に連れていけました。 ヨーゼフもきっと天国で喜んでくれたことと思います。 クーも連れていけたらヨーゼフの喜びもさらに大きなものになっていたでしょう。 でも、家に帰ってヨーゼフに大岳山に登ったよと報告したときに、 「御前山は申し訳ないけど勘弁してね」ともお願いしました。 もう私には山歩きは無理みたい。もし行くとしたらおかーさんに頼みます。
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