2010年7月の山行記です

 4月の坪山以来の登山に行ってきました。ここのところ猛暑が厳しいので2,000m級で歩行時間の少ない山にしました。それにピッタリなのが、眺望が素晴らしく、スズランをはじめとして花の百名山(山と渓谷社)にも挙げられている「入笠山」です。何しろ林道を車で上がっちゃうので歩行時間はほんの少しで済みます。
 入笠山には何回か登っているけど、今回はまだ行ったことがない大阿原湿原側から登りました。下山後大阿原湿原を周回する予定です。メイちゃんにとっては実質初めての山登りだけど頑張ってくれるかな?

入笠山 1,955m 2010年7月18日(日)
天気:晴れ
到着時間 出発時間 歩行時間 休憩・滞在時間 山歩時間
 大阿原湿原駐車場(1,820m  8:30  8:55      
 首切清水  9:10  9:13 0:15 0:03 0:15
 首切登山口(1,840m  9:18  9:20 0:05 0:02 0:23
 入笠山  9:45 10:55 0:25 1:10 0:50
 首切登山口 11:20 11:20 0:25 2:25
 大阿原湿原駐車場 11:34 11:36 0:14 0:02 2:39
 湿原最奥部 11:51 11:51 0:15 2:56
 展望台(駐車場から150m地点) 12:12 12:26 0:21 0:14 3:17
 大阿原湿原駐車場 12:29   0:03   3:34
 合計時間 2時間07分 1時間27分 3時間34分
富士山もすっかり雪がなくなりました。― 初狩りPAから

 4時に起床して5時に出発の予定だった。
 4時にはちゃんと起きたけど出発はやや遅れて5時過ぎに出発した。
 レガシィのカーゴルームにクレートを三つ並べヨーゼフ、クー、メイを入れ、しばらく狭い所で我慢してもらう。
 メイがまだ車酔いするのでそれがちょっと心配だ。早く車に慣れてくれるといいのだけど・・・。

 入笠山へはスズランの季節とお盆シーズンはマイカー規制で沢入り登山口(P、トイレあり)までしか入れない。でも今日はちょうど端境期で大阿原湿原、マナスル山荘まで入って行けるので行くことにした。

 中央高速・八王子ICの手前で食料を買って予定通り6時に高速へ入った。
大阿原湿原駐車場から林道を登山口へ向かいます。

 3連休の真ん中だけど料金所からもう渋滞だった。
 それでも相模湖を過ぎる辺りから混んではいるけど流れは徐々に良くなり、大月を過ぎると順調に流れ始めた。
 ここを通る時はいつも休みをとる初狩りPAで今回も休憩をとって、ヨーゼフたちを休ませてあげた。
 PAもとても人でいっぱい。もちろん駐車場所以外にも車が停まっていた。

 心配だったメイの車酔いもなかったようで一安心して再出発した。
 途中八ヶ岳PAでもう一回休もうと思っていたけど、ここまで予定より時間が掛かったので休まず7:50に小淵沢ICを出た。
 ICから国道20号線に出て、富士見町方面に向かう。
首切清水で (右奥に小さな沢があります)
富士見峠で左折、富士見パノラマを右に見て「入笠会館」と「戸田市自然少年の家」を目標に林道に入る。道路には所々に「入笠山」の道標があり道に迷うことはなく分かりやすかった。沢入り登山口には割と大きな駐車場があり、トイレも設置されていた。
 計画では8時ごろに大阿原湿原駐車場に着く予定だったけど、30分遅れの8時30分ごろ駐車場に着いた。

 駐車場手前の林道で何かあったらしくはっぴを着た人たちが大勢いて林道は片側通行になっていた。
 その人たちのらしい車で私たちが駐車場に入った時はちょうど1台分しか空いてなかった。でも支度をしているうちにほとんどの車が出て行った。ボランティアで林道整備?とかあったのかもしれない。
首切登山口に着きました。

 車から出ると空気が涼しい。さすがに標高が1,800mあると下界とは違う。
 今回はちゃんと持ってきたジョイペット・スキンガードをヨーゼフたちの身体にまんべんなく吹きつけてあげた。
 それにヨーゼフたちにはもちろんフィラリアの予防薬を飲ませてるし、万一ダニ・ノミがついてもフロントラインを滴下してあるので現状では万全だ。
 駐車場の前(西方)には湿原が広がっている。
 支度を終えて左に湿原への入口をみて9時前に駐車場を出発。車で上って来た林道を入笠山方面へ行く。

 舗装された広い林道を緩やかに登って行く。
 何度か曲がって林道がやや下がり始めると、左側に林道が分岐している。
 その先、左側に首切清水があった。
 ここには大阿原湿原へ900mと道標があった。その他に首切清水の由来を書いた案内板が立っていた。
みんな元気に登ります。

 それによると、「昔、高遠藩の金奉行が江戸にいる藩主のもとへ金を届けに行く道中、ここで清水を飲もうと腹這いになったところ、後をつけてきた盗賊に首を切られたと言う伝説による」と記してあった。

 奥の小さな沢に置かれた管から水が流れていた。側に「飲料水ではありません」と小さな立て札があった。
 登り口を探したが登山道のようなものは見当たらなかった。
 じゃぁ登山口はもう少し先だろうと再び林道を歩きはじめると前方から単独行の女性がやって来た。ヨーゼフたちに微笑みかけてきたので、ついでに「登山口はこの先ですか?」と尋ねると「すぐ先ですよ。そこからは15分ぐらいで行けますよ」と教えてくれた。前方をみると左側に案内板らしきものが見えた。
ワーイ、頂上だぁ!(マウスでヨゼたちがが登ってきます)
 林道わきにはオダマキ、マルバダケブキやサワギクなどが咲いている。
 首切り清水から100mほどで登山口に着いた。
 ここにも大きな案内板と小さな道標があった。
 林道から左へ登山道へ入って行く。

 登山道に入るとアザミやウツボグサなどが咲いている。
 ちょっと入ると「法華道、佛平峠、1850m」の立て札があり、突き当たり左側に「種牛放牧中、危険立ち入り禁止」の牧場の柵があった。
 ここから登山道は右に曲がり、山の中に入って行く。
 先に岩がゴツゴツしてる急な登りがあったが、これは短い登りでヨーゼフたちもクリアした。

山頂で
 岩を登りきるとコメツガの林の平坦な道になり、やがて緩やかに下って行く。足元は笹が両側に生い茂っている。
 2、3分で登山道は左に曲がり登り始める。
 道幅も狭くなり、徐々に傾斜がきつくなって行く。

 久し振りの山歩きでペースが落ちてくる。周りにはコナシ(ズミ)の木もみられる。花の盛なら白一色できれいだろう。
 ふと脇をみるとハクサンフウロが咲いていた。私の好きな花のひとつだ。この程度で疲れた、鈍った脚を頑張れと励ましてくれるようだ。
 段々きつくなる登りと暑さに喘ぎながら登って行く。
 右に入笠湿原方面からの迂回コースを合わせると、その先はもう山頂だ。
岩の上で(メイは怖くて下りたそう。)

   9:45に山頂へ到着。
 山頂は大きな広場だ。真ん中あたりに山頂標識と方位盤がある。
 大勢のハイカーが思いおもいの場所で休んでいる。

 肝心の眺望はと周りを見渡す。目の前の八ヶ岳、秩父方面から富士山、南アルプスまで真っ白な雲が掛かってまったく展望がない。ただ中央アルプスから乗鞍岳、穂高連峰・槍ヶ岳まで一定の高さ(2,000m~2,500mぐらいかな?)に雲が横たわるものの、こちらは展望できる。今日は360度の展望ならず180度の展望ぐらいかな?
ヨゼ兄ちゃん、今日は暑いね。(マウスで日陰に)

 一通り写真に収めると私たちも岩に腰掛けて大休止。山頂は岩と石ころで木がなく日陰がない。傘をさしてヨーゼフたちに日陰を作って水をあげる。メイが一番飲んでいた。
 まだ時間が早いので周りの人たちに食事をしてる人たちはいない。
 でも私はお腹がすいたのでコンビニで購入したサンドイッチをザックから取り出し食べた。よく考えたら初狩りPAで飲んだ缶コーヒーしかお腹に入れてなかったのだ。おかーさんはその缶コーヒーさえ飲んでいないのだった。

 サンドイッチをお腹に入れひとごこちついたところで、再び写真を撮る。
穂高連峰と槍ヶ岳(右端のトンガリ)


 ヨーゼフたちを岩の上に乗せて撮ろうとするがヨーゼフはまだしも、クーとメイは臆病なので落ち着かない。特にメイはすぐに下りようとしてしまう。
 一時間以上ゆっくり山頂での景色を楽しんで下山にかかかる。

 下山は来た道を戻る。
 まだ登ってくる人たちが大勢いる。急な所を下りたあたりでご婦人たちのご一行とすれ違った。我家の3匹を見て、一様にびっくりしていた。そしてそのあと感心していた。




乗鞍岳 中央アルプス

入笠牧場の先に諏訪湖
 山頂と登山口間は登り下りとも25分だった。
 往きに会った女性は登山口から15分ぐらいで行けますよと言っていたけど、我が家は犬連れ、写真撮りとりとは言え、往きも帰りも時間が掛かりました。
 朝と同じく舗装された林道を大阿原湿原の駐車場へ戻った。
 案内板をみて今度は大阿原湿原へ。案内板にはペット連れに関して何の記述もなかった。
 たまにペット連れは禁止というところもある。野生動植物保護とかペットに野生動物の病気がうつるとかの理由が書いてあったりする。いずれにしても国立公園内といえども法律では規制してない。そうは言ってもトラブルは嫌なので、ペット禁止を謳っている所は原則(事前に分かっていれば)行かないようにはしている。

大阿原湿原の奥部、テイ沢を渡って湿原の北西側へ。
 幸いなことにペット連れに厳しい長野県でもここはゴンドラもOKでペットには優しい感じだ。
 厳しくない原因としては、ここが霧ケ峰や美ケ原などに比べ、現時点ではひと夏に何十万人、何百万人(ちょっとオーバーかな?)もの観光客が押し寄せるメジャーな観光地ではないことが大きな要因かも知れない。そうはいっても入笠山もマナスル山荘側からは人が多いが・・・。

 先ずは駐車場から階段を下りる。
 案内板を見ると、遊歩道は湿原を回るようになっている。
 案内板では右の道が木道で入口から150m地点の展望台へと続いている。左の道はここから見ても森の中を歩くようだ。
 私たちは左(南東側)の道を行き、湿原を時計回りに巡って最後に展望台で休むことにした。

 左の山道を進むとすぐに森の中の道となった。すれ違う人たちが多い。
湿原の北西側を進んで湿原奥を振り返る。
私たちと逆回りの人たちの方が多いのだろう。
 5、6分ほど歩くと木道が現れた。ここに「車いすによるこれより先の進入はご遠慮ください」と立て札があった。
 先へ進むと上り下りがあり、これではやはり車いすではちょっと危険かもしれない。
 この木道は地面から1mぐらいの高さがあり、木道の中では高い方だと思う。木道は木肌がきれいでまだ新しい感じだ。

 湿原と言ってもただ山の中の木道を歩いているみたいだと思いながら進むと15分ぐらいで最奥部に着いた。
 木道はここでV字に右へ急転換。やや下って行くと小さいが水量がある沢を渡る。「テイ沢」だ。
 テイ沢を渡ると視界が開け湿原が現れた。風が通って気持ちよい。やっと湿原を歩いてるなという感じになった。
もう少しで展望台。でもここの木道は古そう。
 ここからは湿原を右に見て所どころ丸太が敷いてある土の上を歩いて行く。コナシ(ズミ)の木が結構目につく。
 戻って入口にある案内板を良く見たら、「大阿原湿原は高層湿原としては国内で最南端に位置する。湿原としては乾燥度が高い老年期に入っている。コナシやシラカバが徐々に進入している様子からも分かります。・・・・・」と説明があった。

 往きの森の中と違ってこちら側は歩いていて気持ち良い。
 湿原をみるとレンゲツツジの朱色がチラッと目に入った。その一か所だけだったので写真を撮らなかったのがちょっと悔やまれる。
サギスゲ?の群生(マウスでサギスゲの写真へ)

 ワタスゲの群生も見られるようになった。でもそれがちょっとヘン。良く見ると白い綿の部分が小さくて丸くない。もう綿帽子がなくなる寸前なのかとその時は思っていた。案内板にもワタスゲが出ていた。帰宅してからインターネットで調べるとワタスゲ属にサギスゲなるものがあるのが分かった。どちらか私には判定しかねるけど、ここでは一応サギスゲとしたい。

 相変わらず前後を見渡しても私たちと同方向はほとんどいない。反時計回りの人たちの方が圧倒的に多い。
 すれ違いの度にヨーゼフたちを足元に寄せてマテ。メイはまだ意味分からず。クーは以前からお尻がちょっと残る「アタマ隠してシリ隠さず」状態が多い。まともなのはヨーゼフだけ・・・。でもすれ違う人たちはニコニコして褒めてくれる。それがとてもうれしい私たちでした。
新しい木道で展望台へ(マウスで展望台で水を飲むヨーゼフたち)


 ほぼ一周する頃再び木道になる。最初は木の間が開いたりしているものだったけど、展望台近くになって新しいきれいな木道になった。これなら車いすでも危険がなさそうだ。
 展望台と言っても高いわけではなく、広いテラス状の場所だ。湿原側には丸太を削ったベンチもあり、湿原を見渡せられるようになっている。
 ここでちょっと休憩してから駐車場へ戻った。
 片側1km弱(900mぐらいか?)ぐらいの良く整備された周遊コースだった。

 今回は我家から片道約170km、往復350kmにならんとする、日帰りとしてはちょっとキツイものでした。(20才若ければどうってことないが・・・)その分歩きが少ないけどね。
 相変わらず展望と花の入笠山は最高でした。初めての大阿原湿原も良かったです。
 ヨーゼフ、クー、メイも良く歩きました。クーは最近暑さもあるのか、散歩のときもあまり歩きません。心配してたのですが、山に入ると元気いっぱいでした。こんなに変わるものだと思いませんでした。やっぱり犬には自然は良いものなんですね。もちろん人間にも。

 入笠山&大阿原湿原は花いっぱいでした。

~~入笠山と大阿原湿原で出会った花たち~~
ウツボグサ サワギク キバナノヤマオダマキ マルバダケブキ
アザミ ホタルブクロ
ハクサンフウロ ウマノアシガタ ニガナ オオヤマフスマ


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