2010年3月の山行記です
例によって前日決めた山歩き。 いつも私より30分以上早く起きるおかーさんに「明日はゆっくりでいいよ、6時に出よう」と寝る前に言っといた。6時半に出ると勘違いしたおかーさん、珍しくゆっくり起きてきた。結局お茶も飲まずに6時を少し過ぎて出発。 ヨーゼフとクーは相変わらず人間より遅く起きてきたが、出掛けると分かるともうテンション上がりっ放し。 道路は順調で、コンビニに寄って7時10分ごろに八王子ICから中央高速に入った。 高速も順調に流れている。でも天気は薄曇り、スカッと晴れて来ない。予報では9時台から晴れるとなっていた。 初狩PAで休憩。ヨーゼフとクーはクレートから出すと大喜び。私は缶コーヒーで一息ついた。富士山を見たけど距離が近いのにあまりクッキリ見えない。う~ん!
10分ほど休んでスタート。 勝沼ICで高速を出て、塩山駅の東を411号線(青梅街道) を北に向かい重川に架かった橋の手前で左に県道207号線へ進み「ざぜん草公園」へと向かう。 実は出掛けにカーナビの目的地入力で「ざぜん草公園」を入れようとしたけど目的地として出なかった。で、助手席のおかーさんは手前にある玉宮小学校を目的地にしていた。 手前に玉宮小学校があるのは小倉山ハイキングマップでで分かったのだ。 玉宮小学校を右に見て2キロも行かないうちにざぜん草公園入口の案内板があり、それに従って右折して小道に入るとすぐ、9時前に公園入口の駐車場に着いた。 20台ぐらいは停められそうな駐車場には1台もなく我が家のレガシィ号が一番乗りだった。
駐車場の周りにはトイレやレストラン、東屋、大石を積んだ滝などが設えてある。みんなまだ新しそうだ。 トイレを済ませ出発の支度をする。 ところで今回私の足元は2月22日に購入した新調の登山靴だ。「SIRIO」、「hanwag」に続いて今回の「LOWA TAHOE GTX 」とみんなヌバックレザー製で3足目。山歩き用の靴はこれ以外にコーデュラナイロンとヌバックレザーのコンビをロー、ミドル、ハイと持っていたけど、どうしても下りの時に調子悪いので、現在はローカットだけ。今回は別売りのインソール(SUPERfeet TRIM FIT)も同時購入したのでどんな感じか楽しみだ。ちなみにハンワグとローバは創設者が兄弟とのこと。 そんな訳で私だけニューの靴で、おかーさんは今までの「hanwag」、ヨーゼフとクーは自前の肉球で出発となった。
先ずは竹森川に架かる立野山橋を渡る。渡った先に「←船宮神社・カタクリコース、ザゼンソウ・小倉山展望台→」と道標がある。私たちはザゼンソウへの林道を行く。 未舗装の林道を5分も行かないうちに、左手に青いトタンの小屋があるザゼンソウ群生地の入口に着いた。 ザゼンソウの謂れなどを書いた竹森のザゼンソウ案内板が立っている。 ここで道は小さな流れを挟んで二手に分かれる。右は林道がそのまま続く。 左の遊歩道に立ち入るともうザゼンソウが咲いている。 遊歩道の先にはヒノキ林の中に木道が続いている。入口にイノシシ侵入防止用のワイヤーロープの電気柵があり、群生地を囲っている。通電中、注意の注意書きが下がっていた。
入口はプラスチックの柄が付いていて、そこを持って入口部分だけフックを外して通過するようになっている。ヨーゼフとクーが触れないように抱いて通過した。 ホントに通電してるのかちょっと疑わしかったけど、試す気は起きなかった。 木道部分に来るともう周囲にはザゼンソウがいっぱいだった。他の人は一人もいない。私たちの貸し切り状態なのでゆっくり観賞できる。 ここの木道には適当な間隔でタイヤのトレッド(地面に当たる部分部分)が切って貼ってある。これは親切な仕事で、木道でも滑り防止に関して効果があることだと思う。 「あっ、これはいい」、「あっ、こっちもいいな」と二人とも写真を撮りながらなのでなかなか進まない。 全部茶褐色ではなくて、なかには薄緑色のものもたまにある。
写真を撮りながらも端までやってきた。木道が90度て右へ曲がっている。 木道からワイヤーロープを外し先ほど分かれた林道に出る。今度は林道の右側にある群生地に入る。 ここにもザゼンソウはいっぱいあるが先ほどの群生地よりはやや小さい気がした。 もう写真はいいやと思いつつもやはり撮ってしまう私たちだった。 こちらも端まで行って林道に出る。 ここの出口でワイヤーロープには通電されてないことが分かった。何故かと言うと、ワイヤーは縦に3本通っているのだが、一番上のワイヤーには絶縁するプラスチックの柄が付いてなかったのだ。おかーさんは何の疑いも持たずにヒョイとワイヤー部分を持ってフックを外していたのだった。
しかし、もしホントに通電してたらどうだったのか? 第一どの程度の電気が流れているのだろう?まっ、危険なので微電流やや高電圧で、静電気みたいにピリッとくるようなものだろうけど。 無事電気柵を通りぬけ林道に出る。これでザゼンソウ群生地とお別れ。 道はY字の分岐になるが右は林道の続き。小倉山展望台の道標に従って真っすぐ(左の道)進む。 登山道は緩やかに上って行く。歩きだしてすぐ、私はシャツを一枚脱いだ。寒さに弱くなったとはいえ相変わらず暑がりには違いなさそうだ。 一旦狭まった登山道はすぐに幅広くなり、両側は葉が全くない立枯れたのようなナラの林だ。何とも荒涼とした感じの景色だ。上の方には白樺もチラッと混じっている。 緩い登りなのだが久し振りの山歩きで私のフクラハギが痛い。ゆっくり登って行く。
15分ほどで尾根に着いた。 尾根に出たところに道標があり、左へ「上条峠・尾根道コース」、右へ「小倉山展望台」と案内されている。 私たちは右へ小倉山展望台へ向かう。 ブナやナラの自然林の尾根道を緩やかに登って行く。ところどころ丸太で土止めした階段状になっている。 5、6分ほど歩くと左側はアカマツ混じりの自然林、右側はヒノキ林になる。 尾根道を10分ぐらい登り、そのうち右にカーブすると前方に展望台が見えてきた。 丸太の階段状の登山道を登りつめると山頂の小広場に丸太組みの立派な2階建て展望台があった。 2階建てと言っても1階が高いので実質3階建ての感じだ。 展望台の両脇に丸テーブルとそれぞれベンチが備わっている。
先ずは展望台に上る。木の階段を上がり1階へ。2階へはらせん階段を上る。 2階も結構広くできている。南西方面が良く見渡せるようになっている。ネットで調べたところでは、ここから甲府盆地の先に南アルプスが展望できる。今日は霞んでいて生憎望めないが、快晴なら雪を頂いた南アルプスの稜線が見られるはずだったのだが・・・ 右に眼を転じれば乾徳山、その奥に国師岳から金峰山、瑞牆山辺りが、これもまた見られるはず。山並みは見えるのだが、地図を持ってきていないので山座同定ができない。残念! やや実り少なく展望台を下りた。 三角点そばの丸テーブルに荷物を置き丸太のいすに座る。ヨーゼフとクーに水をあげる。私たちもペットボトルのお茶を飲んで喉を潤した。
ここには山頂標識がない。展望台1階の柱に手書きで「小倉山」と書かれた木札が針金でくくり付けてあった。だからここが山頂なのだろう。 これから行く上条峠展望台にも東屋があるはずなのでそちらでお昼を食べることにして小倉山とはこれでお別れとする。 来た道を戻って行く。シカの食害か樹皮をはがされた木が多い。 10分足らずでザゼンソウ群生地への分岐に着いた。 これを左に分け真っすぐ尾根道を進む。 分岐からやや登りになり、小さなピークを登ると前方に再びピークが見える。 この辺り、細目のナラやブナに混じってアカマツも多い。 尾根は次第に右に緩やかに向きを変えていく。 やがてこれぞ尾根登りというような場所に来た。手前に左へ小さな枝道が分かれている。
まさか巻道かと思い私だけちょっと踏みこんでみたが、方向が違うので淡い期待は封印した。 岩が顔を出してきた尾根の今までよりも急になった登山道を途中写真を撮ったりしながら両手も使い注意深く登っていく。つまずいて落っこちたら大変です。 そうこうするうち急騰を登りつめると平坦な道になった。振り返ると小倉山が見える。展望台は樹木に遮られて分からない。こっちの方が高い感じだ。 ここが多分この尾根道の最高点996mのピークだろう。でも標識も何もないので分からない。 先へ進むとほんの少し下り、その分登り返してまた平坦になった。ここには←上条峠、小倉山展望台→の道標があった。 ここからはたまに登りがあるもののどんどん下っていく。右側・南方面には樹間に舗装された林道が曲がりくねって見え隠れしている。
この下りは100mぐらいは下ったと思う。 まだ上条峠に着かないのかなあと思いながら20分ぐらい下ったところで分岐にでた。 地形的には峠という感じがしたが、この平沢集落への道を左に見送り峠目指して先へ進む。 分岐からほんのひと登りすると再び下りになった。 右に見える舗装された林道が近づいてきた。左前方には駐車場らしき広場が見える。 下りきったところの先には木段があり、木の間を通してその先に東屋が見えた。 上条峠展望台(小倉山ハイキングマップでは小屋となっている)へ木段を上る。 結局上条峠はどこだか分らなかった。標識はどこにもなかったけど、もしかしたら見過ごしたのか?
帰宅してからインターネットで検索したら、山梨の林道でヒットした。東屋を巻いて東西を走っている「市営林道上条平沢線」に上条峠があった。 ここも誰もいない。今日は駐車場に着いてからザゼンソウ群生地、山中と、誰とも会っていない。こんなことも珍しい。 大体何人かとは行きあったりするのだが・・・ この東屋は柱とかまだきれいなのでまだ新しいのだろう。 ここは東~南の方角が見渡せる。空気が澄んでいれば大菩薩、鶏冠山などが遠望できるのだが。 朝から、水以外にお腹に入れたのは初狩PAでの缶コーヒーだけなので、さすがにお腹が空いた。 予定通りここでブランチをとることにした。
ブランチなどと言葉は洒落ているけど、私はカップヌードル、おかーさんはコンビニの菓子パン。ヨーゼフとクーはいつもと同じ持参のビーフジャーキーで変わり映えなし。 とにかく食事を終え、おかーさんは無数に落ちてる松ボックリの収集に取り組んでいる。 私はというと、新しい登山靴で全体が締め付けられてジーンとしていたので2枚履いている靴下を1枚にした。今まではずーっと靴ずれ防止のためトレッキング靴下の中に薄手の5本指靴下を履いていたのだった。 一枚にしたら足がありがとうと言っているようだった。この後全く問題がなかった。これからは一枚履きかな・・・ 小一時間ほど休んで下山?することにした。
下山は一度平沢集落分岐まで戻る。帰りの登りは有難くない、「あれっこんなに下ったっけ」なんて言いながら一度登るりちょっと下ると分岐だった。 分岐を道標に従い右へ(北へ)平沢集落方面へ進む。 道も分からないほど落ち葉で埋め尽くされた広い斜面を下って行く。最初会った踏み跡は全くなくなってしまった。 下ったところで右の方から何となく道らしいものが見えた。おかーさんが行ってみるとちゃんとした道が続いていた。 左の涸れ沢に沿って山腹を下って行く。道は両側の笹でヨーゼフとクーは見えなくなってしまう。 15分ほど下り、平沢集落分岐を右に分けると小さな橋を渡る。小さな沢の左岸を沢に沿って進む。
所どころにカタクリの葉が出てる道をしばらく行くと、沢と離れ広い場所に出た。伐採中につき注意して下さいと看板がある。なるほどスギを伐採した跡らしく捨てられた?木がいっぱい落ちていた。 やがて分岐があり、船宮神社への道を右に分ける。その先、左側に小さなお地蔵さんがポツンと寂しそうにしていた。 この先もう一度船宮神社・沢コースの分岐を過ぎるとあまり時間をおかず右前方に出発点の駐車場が見えてきた。
最後凸凹で泥濘んだ幅広い道を下ると立野山橋の袂に出た。 出発した時とは違い、駐車場には車が多い。←数えたら13台だった。 観光客もそぞろ歩いているし、お店もやっている。こんな賑やかだったんだ。 おかーさんは早速何か買っていた。私は車に戻り帰り支度。 今回は久し振りの山歩きでした。 歩き終えて、おかーさんと「このくらいの山ならいつでもいいね」と話しました。駐車場のそばにはツクシも顔を出して春だなあと感じた一日でした。 ヨーゼフとクーもやっぱり山に来るとホントに元気になります。今回も元気に歩き通しました。 ザゼンソウは思ったより数多くあり、楽しめました。本当に来て良かった。贅沢を言えば、もうひとつ天気が良くて展望があれば言うことなしでした。 ザゼンソウ群生地にあった甲州市の案内板には 「竹森のザゼンソウ ザゼンソウはサトイモ科(ザゼンソウ属)の多年草で山中の湿地帯に自生します。竹森の群生は本州の南限地とされており、山梨県の自然記念物に指定されています。名の由来は、 |