7時に目が覚めベッドで本を読んでいたけど、窓から射し込む陽の光に誘われて山歩きに行きたくなった。 まだしぶとく布団に包まっていたオカーサンのところに行き「伊豆ヶ岳に行こう」と声を掛けると、寝ぼけ眼で起きてきた。 そうと決まれば早速支度をする。支度といっても低山の日帰りハイクだからいつも用意してあるザックに水、食料を補充すれば大体OK。 虫除けの薬を体にスプレーして先にジムニー君に乗ったヨーゼフとクーは窓から顔を出してスタンバイ。ザックや洗面器(ヨーゼフとクーのお腹や足を洗うため)を積み込んで8時半に家を出発。 所沢市街地を迂回して466号線、299号バイパス、299号線と進み巾着田や日和田山の西武線高麗を過ぎると高麗川に沿ってカーブの多い道を進む。途中、飯能近辺でおにぎりを買って朝食をとり、正丸駅に着いたのは10時ちょっと前ごろ。
正丸駅前に駐車できなければ正丸峠の奥茶屋まで行って路肩に停め、伊豆ヶ岳を往復する積りだったけど運良く駐車できた。 駅前の舗装してある所は駅前売店のお客専用で、長時間駐車は線路際の砂利敷きだったけど1日500円はリーズナブル。 出発準備していると臨時でも出ているのか結構電車が来る。私たちが出発するときにも電車が着いてハイカーが改札を出てきた。 ほぼ予定通りの時間、10時半ちょっと前に駅前を出発した。空を見上げると青い空、気持ちのいい天気だ。 線路沿いの階段を降りて飯能方面に進み舗装路に出て右に西武線のガードを潜る。
30分ほどで正丸峠との分岐に着く。ここには馬頭観音の祠がある。ここまで写真を撮りながら来たのでちょっと時間が掛かったようだ。 ここを左に道をとり登山道に入っていく。沢沿いに杉林を登って行くと右に「名栗げんきプラザ」への分岐がある。この辺はまだ歩きやすい登山道だ。ヨーゼフも山道に入っていつもの元気が出てきた。 やがて沢を渡り右岸に出ると段々道も悪くなってきた。ところどころ濡れていてヨーゼフとクーを抱いて歩く。さらに左岸に渡り返すと急登が待っていた。
ずっと緩やかな登りだったのでここからの急登はきつかった。足元も赤土の滑りやすい斜面だ。こういう所はヨーゼフやクーの4駆が羨ましい。 杉林をふうふう言いながら登るとやっと平坦なところに出るが、それもすぐにまた赤土の一枚バーン?を登らなければならない。 私とヨーゼフは真ん中を直登したけど、おかーさんとクーは端の方を木を利用しながら登ってきた。 登り切ったところで尾根に出た。 尾根には4、5人のハイカーが休んでいた。この時間になると下山してくる人もいる。 1時間過ぎてちょっと休憩したかったけど、あと30分ぐらいで登れるところなので休まないで先へ進んだ。
尾根道は右側が自然林、左側は杉林。比較的歩きやすい道だったけど時々石がゴロゴロしているところもあった。急登ではないけど眺望もなく黙々と登るだけなのできつかった。 尾根取り付いて20分ほどで分岐に出た。左は五輪山の巻き道。私たちは一応五輪山へ出た。 五輪山にはベンチもあり2、3組が休んでいた。 ここを下ったところが岩場の男坂と一般道の女坂との分岐だ。1995年に初めて来たときにおかーさんと男坂を登って怖かったのを思い出す。 その後男坂は落石防止のためロープが張られ通行禁止になっている。 右に道をとり女坂を通って頂上を目指す。 10分ほどで木段が現れる。ここを登り切ると稜線(山頂の一部)に出、男坂からの道を合わせ右にちょっと行ったところが山頂だ。
山頂には大勢のハイカーが休んでいた。 私たちも山頂標識を通り、やや天目指峠方面への縦走路行った岩場で休憩にした。 人間も喉が渇いていたけど先ずは休憩なしで頑張ったヨーゼフとクーに水を用意してあげる。 私たちもとりあえず水分補給してから皆んなで昼食にした。ヨーゼフとクーはお腹が空いたのか食欲旺盛だった。人間の方は車の中でおにぎりを食べたのでそれ程食欲なしだったけど、風が心地良くて予定より長居してしまった。 1時に下山開始。 正丸から伊豆ヶ岳に登る人は高畑山、天目指峠から子ノ権現を経て吾野駅へ下るコースがメインなのだけど、これは結構長丁場だ。過去は2回とも吾野に下りたけど今回は正丸峠を回って正丸駅へ戻る周回コースをとることにした。
五輪山まで戻って、ここから来た道を右に分け正丸峠への道へ進む。 五輪山から北に下り、右にヒノキ、左は自然林に挟まれた緩やかな登山道を下る。道端には種々のスミレが咲いている。 ただ五輪山の分岐にも書いてあったが、道標には「正丸峠・正丸駅」と書いてあるのがちょっと疑問だった。確かに正丸峠経由で正丸駅に行かれるけど。 10分強で長岩峠の標識のある分岐についた。ここは十字路になっていて、右に正丸駅、左に名栗げんきプラザと書いてある。すぐあとを来ていた一人のハイカーが迷っている。この人は伊豆ヶ岳から正丸駅へ行くのだったが結局遠回りしてしまったようだ。 私たちは真っ直ぐ進んでやや登ると「小高山」に着いた。ここにもベンチがあって2組のハイカーが休んでいた。今日は一週間前の「鶏冠山」と大きく違って行く先々で人と出会う日だ。
正丸峠方面へ進むと、以前はここにも茶店があって火事で焼けたようなことを説明する標示があった。 2回ほどほんの短い登り返しのある緩やかな下りの登山道を進むと、やがてバイクや車の音が聞こえてきた。 15分ほど下ると左下の方に舗装路が見えてきた。道が右にカーブすると木段になり下ったところが正丸峠にある奥村茶屋の裏だった。右手に正丸駅への下り口がある。 脇を通って奥村茶屋の表に出る。車やバイクが停まっていて賑やかだ。茶屋の中には名物のジンギスカンを食べている人達がいる。私たちも店の前テーブルを借りて冷たいものを飲んで一休み。ホントはジンギスカンを食べたかったのだけど、あまり食欲がなかったのとヨーゼフたちを待たせるところがないので今回は見送った。今度は車で食べに来よう。その時はヨーゼフとクーは車で待っててね。
20分近く休んで正丸駅へ向かった。 奥茶屋の裏に回って急な階段を降りる。この階段は急な上にステップが狭いのでクーを抱いて降りると緊張した。 階段を降りると杉の樹林帯を沢沿いに下って行く。最初の頃は足元も悪く歩きにくい。階段を降りるときはすぐ後に家族連れがいたけどやがて声が聞こえなくなった。 あとは急なところはなく、順調に下った。丸太橋を2、3回渡って民家が出てくると舗装路になり直に馬頭観音の分岐に着いた。 ここからは花を(ここはシャガが多い)見ながら、鈴木商店ではおばあちゃんと言葉を交わしたりして駅まで戻った。 今日は朝起きて急に行くことにした山行だったけど、初めてのコースも歩いて6年振りの「伊豆ヶ岳」を楽しみました。
最近山登りには遅めの出発が多かったが、今回は久し振りに山行きらしく4時に目覚ましを設定。 目覚ましは4時にちゃんと鳴ったのだけど、このところの怠け癖でしばらく起きられず結局ベッドから這い出したのは限りなく4時半に近かった。おかーさんはもう支度をしていた。 急いで顔を洗い、久々に前夜用意していたザックやヨーゼフたちの荷物をジムニーくんに積み込み家を出たのは予定通り5時だった。 関越道所沢IC近くのコンビニで食料調達して関越道へ。平日の早朝でさすがに空いている。 藤岡JCから上信越道を行き、甘楽PAでヨーゼフとクーをプチ散歩させてから次の下仁田ICで高速を降り254号線を一路登山口の内山峠に向かった。市街地を過ぎ国道が山に分け入る前、前方に「荒船山」の姿が目に飛び込んできた。車を路肩に停めてデジカメに収めた。
因みに荒船山の登山口は3つある。今回の群馬・長野県境の内山峠、長野県佐久市の荒船不動、そして群馬県・下仁田町の相沢。 相沢からは標高差もあり健脚向きとある。荒船不動からが一番距離も短く短時間。でも内山峠からが見晴しも良く、変化もあるコースで一般的だ。という事で、健脚とは程遠い我家は一般コースに決まり。 旧道の内山峠は内山トンネルの上にある。市野萱を過ぎて一旦分かれた旧道と合流した先、白井平でナビの案内どおり今度は旧道に入る。ホントは内山トンネルの手前で旧道に抜ける近道を行きたかったのだが、見つけ損なう(帰りに通ったが旧道より広い道だった)といけないのでナビに従った。ところがこの旧道は物凄いクネクネ道だった。
神津牧場の道を右に分け、その先で左に先ほどの近道を合わせると直に内山峠に出た。 登山口にある20台ぐらい置けそうな広い駐車場には4台停まっていた。私たちが準備している間にも2台入ってきた。 学生さんらしい3人グループが挨拶して出発していった。私たちもカンガルー袋をザックに入れて(はしご場もあるらしい)いよいよ出発。 駐車場の奥、案内板の前から登山道に入る。緩やかに登る平坦な歩きやすい道を進んで行く。 周りはブナやナラの自然林、足元には熊笹の間にエイザンスミレやキンバイ、リンドウ(往きには分からず帰りに気づいた)、ちょっとではあるがツツジも咲いている。
山頂までの距離が書いてある道標が3ヶ所ある。ほとんど山腹の南西あるいは南側、佐久側を進んで行くのだが、時々群馬側も覗ける細い尾根もある。 群馬側は長野側と様子が違い、樹木が少なく深く切れ落ちた断崖になっている。もちろんロープが張ってある。 山頂(行塚山ではなく稜線まで?)まで2.2Kの道標を過ぎた辺りから、短い上り下りを繰り返すたびに木の間から荒船山が見えてくる。向きにより、稜線と行塚山(経塚山の表記もある)が見えたり艫岩が見えたりするがまだまだ先は長い。 途中に木橋があるやや長目の下りがあり、下ったところが大きな岩と洞穴のある「挟岩」だった。 ここは昔、修験道場があった所だそうだ。なるほどちょっと小広くなっていて、地面には柱を建てた際の丸い礎石が残されていた。それにしてもここの岩は巨大だった。 登山口から45分強、ここまで急登もなかったので先へ進んだ。 鋏岩を右に巻いて緩やかな登山道を行く。20分ほどで休憩予定の水場の一杯水に着いた。
岩の間に差し込まれた塩ビ菅から水が流れ出ている。早速食器に汲んでヨーゼフとクーにあげた。喉の渇いていた二人は待ってましたとばかり飲んでいた。私たちも飲んだけど冷たくて美味しい水だった。 一休み後山頂目指して出発。 ここから今までと違い傾斜もやや急になってきた。表面に水が流れて滑りやすい岩場も出てきた。岩にはステップが刻まれているので助かる。少し行くとハシゴ場も現れた。でもこれは短かく角度も寝ているのでカンガルー袋の出番はなかった。 滑りやすい岩を慎重に進んで行くとやがて岩もなくなり笹原に出る。 意外と呆気なく頂上台地に出た。
ここは艫岩の西端、ここから艫岩の展望台へ笹原を歩いていく。 ほぼ平坦な道を5、6分行き、緩やかに下ったところが艫岩展望台だった。 右にトイレもある避難小屋。樹林が途切れ、開けた左側(北側)が断崖絶壁の展望台。 先ずは今日のハイライト展望台に行ってみた。 目の前がパッと開ける。足元はゴツゴツした凸凹の岩なのでつまづかないように進む。艫岩展望台の標柱が抜かれて方位盤に立て掛けてあった。 折角晴れているのに気温が高く霞が掛かっているので遠望が利かない。浅間山さえ見えないのにはちょっとガッカリした。 そろそろと端の方に行くが、とても1メートル以内には近付けなかった。登山口であった3人グループのうち2人は平気で端っこに行っている。見ててちょっとハラハラした。あとの1人は私たちと同レベルだった。
写真を撮って最高地点の「行塚山」向かった。 再び樹林帯に入り、避難小屋の横を通り平坦な道を南に向かう。 約2キロの荒船山縦断だ。道はとてもよく歩きやすい。小さな石の祠を右に見て少し行くと水場があった。西から南に向かって小さな流れがある。ヨーゼフとクーが早速流れに顔をつけて水を飲んでいる。山頂に水場があるのは初めてだ。不思議な感じだ。 平坦(と言ってももちろん僅かな上り下りはある)な散歩道?をノンビリ歩いていく。気持ちいいハイキングだ。もう少し経てば新緑が清々しいだろう。 3人グループと前後して行塚山へ向かう。 また石の祠が左手にあり、しばらくすると星尾峠・荒船不動との分岐に出た。ここの道標には艫岩展望台へ1.6kmと書いてあった。 ここから結果的に今日一番の急登を登る。
分岐から頂上目指して歩き始める。最初は今までとそれ程変わらなかったけど段々きつくなってくる。ジグザグに山腹を登って行きやがて右斜めに登った先で頂上に出た。 頂上には祠と標柱が建っていた。この標柱は塗料が劣化して文字が読み難くなっていた。これまでの道標には「行塚山」となっていたけどこの標柱には「経塚山」と書いてあるのがわずかに読めた。経塚山、行塚山どちらなんでしょう? 頂上は狭く、周りは木によって遮られ、わずかに西側にろうそく岩が見られた程度だった。 ちょっと休憩して昼食のため艫岩に戻ることにした。 艫岩に向かって再び笹原を行く。
ヨーゼフとクーのリードを外してあげた。二人とも自分が先頭に行こうとするけど、今日はおとなしく後または横について歩いていた。普段の散歩のときについて歩くように教えている(なかなか難しい)成果が少しは出たようだ。いつもこうだといいのだが・・・。この点はクーの方がヨーゼフより成績優秀。ヨーゼフはちょっと我がまま。 艫岩に着くと見晴しのいいところで昼食にしようと思っていたけど直射日光が暑いので樹林帯の涼しいところで昼食にした。 ヨーゼフとクーに水とジャーキーをあげて、私たちはおかーさんが前日作ったクラムチャウダーを温めパンを食べた。 しばらく休憩して下山した。
下山は登ってきた道を引き返す。 荒船不動へ下りて見たかったけど、内山峠への交通手段がないのでしようがない。 艫岩西端から一杯水の水場までは慎重に下るが、あとは岩場もなく淡々と下る。途中朝は気が付かなかったけど道端にフデリンドウが咲いているのを見つけた。良く見ると結構咲いていた。 群馬側が見渡せる場所では風が吹き抜けて心地よかった。 下りもゆっくり歩いた。でも休まず内山峠にに向けて。クーは途中ちょっと疲れたみたいだけど最後まで頑張りとおした。 下りと言っても主な登り返しが4回ぐらいあるので思ったより長く感じた。
1時過ぎ無事に内山峠に帰り着いた。駐車場にはまだ車が4台あった。 「荒船山」は人気のある山で登山者も多く入るという事だったが、さすがにGW明けの平日なので、山中で出会った人は7組、10人ぐらいしか合わなかった。 まだ時間が早いので、おかーさんのリクエストで近くの「神津牧場」に寄った。 平日なので人が少なくちょっと寂しい感じだ。早速目的のソフトクリームを食べた。普段あまり食べない私も食べたけど美味しかった。ヨーゼフとクーも私たちに貰ってご機嫌だった。 下仁田IC近くの道の駅に寄ったら、山野草を売っていた中にコマクサをあった。おかーさんが欲しそうにしていたので、ダメとは分かっていたけど店の人に聞いてみた。案の定育てるのは無理だということだった。 帰りの関越道も順調に流れ、5時には家に帰った。 荒船山は登山道も歩きやすく、何よりスギ・ヒノキがほとんどなくて気持ちよかった。もう少し時期を遅らせれば新緑がとてもきれいだろう。また訪れたい山だった。
前回の荒船山に続いて今回も上州方面(といっても栃木との県境)の山行。
荒船山の次はどこへ行こうかとおかーさんと話していたが、その間私が一泊でゴルフに行ったりしていて場所が決まらなかった。そんな時、O−DOGのメンバーが13日に登った山行記を読み、さらにインターネットで場所など詳しく調べアカヤシオを観に行きたくなった。 ヨーゼフとクーにはちょっと時間が掛かり過ぎるかと思ったけど、危険なところがなさそうなので急遽袈裟丸山に行くことにした。 登山口は渡良瀬川のダム湖・草木湖の先にある。距離があるので5時には家を出発できるよう4時に起床した。 ヨーゼフとクーはまだ眠そうだったけど出掛けるとなると途端に元気になる。登山口までの林道が道悪と書いてあった(古い山渓を見てしまった)のでジムニークンの出番。予定通り5時に家を出発した。最近我家は予定通りに出発できるようになってきた。いい傾向だ。
所沢IC手前のコンビニで例によって飲食料を買い込み関越道に入る。 寄居PAで休憩して本庄児玉ICで高速を出る。ここから渡良瀬渓谷の沢入まで約50キロ。伊勢崎、大間々を経て国道122号線を渡良瀬川沿いに北上する。ところで渡良瀬渓谷と言うけど、大間々に近いところは渓谷らしいけど先に行くと結構広い河原だったのでちょっと期待外れ。渡良瀬鉄道は国道にピタッとついて下を通っているので車からはごくたまにしか見ることは出来なかった。それはともかく川沿いに走って行くとやがて草木湖に至る。 草木湖の先、沢入駅手前のオートキャンプ場を過ぎたところで「寝釈迦」方面の案内板に従い西山林道に入る。「沢入」→「そうり」、手前の駅「神戸」→「ごおど」とは地名は難しい。
民家を過ぎると杉の植林地を通り、やがて山肌を縫ってクネクネと進む。10分ほどで右に塔ノ沢登山口への林道を見送り、さらに15分ほど左側が深い谷の完全舗装の林道を進み8時ごろ折場登山口に着いた。 登山口には15、6台近く置けそうな駐車場と東屋、トイレがある。それに沢水を引いた岩を利用した洒落た手洗い場もあった。私たちが着いたときにはもうすでに駐車場は満杯、路肩にもいっぱい停まっていた。ざっとその数25台ぐらいだろうか。確か今日は土日ではなく水曜日だったはずだけど・・・。 塔ノ沢コースは「寝釈迦」の石像がある沢沿いコース。私たちが登る弓の手コースは尾根コース。こっちの方が30分ぐらい短そうだ。塔ノ沢コースがメインルートらしいが、林道整備が進んでこちらからの入山が多くなったようだ。 道標には賽ノ河原まで1.7km、寝釈迦3.2kmと出ている。
道路わきから丸太の階段を登ると北回り(健脚向き)と南回り(一般向き)とに分かれる。私たちは南回りコースを行きます。 4、5分で北回りコースと出会い、自然林の歩きやすい尾根を登って行く。登山道脇には黒い導水菅が伸びていた。 24、5分ほどで開けた、そこだけ岩がある見晴しの良いところに出た。振り返ると赤城山が目に飛び込んでくる。10人ぐらいのグループが休んでいた。休むにはいいところだけどまだまだ先は長いので写真を撮っただけで通過した。 ここからしばらくは左側が開けた笹尾根を進む。左側は笹原がずっと下の谷へ続いている。向こうの山肌には折場の先の林道が見える。気持ちのいい登山道だけど朝一で身体が重く結構きつい。
岩を縫って滝のように流れ落ちている沢も見られた。 フウフウ言いながら登って行くとやがて樹林帯に入って行く。するとベンチのある小広場に出た。ここで驚いたのだけど、なんと赤い筒状の灰皿が設置されていた。山の中で初めて見た。火の不始末を憂慮したのだろうが、喫煙者の私にも何となくしっくりしない物だった。
ここから丸太の階段を少し登ると再び樹林帯を登って行くと開けたほぼ平坦な地に出る。 左前方にこれから行く左(南)から前袈裟、後袈裟、中袈裟、奥袈裟と続く袈裟丸の峰々がその姿を現した。まだまだ遠くに見える。これからあそこまで行くのかと、ちょっと不安になった。 明るい陽射しの中、樺の間にアカヤシオの淡いピンクの花が目に入ってきた。 早速お目当てのアカヤシオを写真に収めていると、戻ってきた人が「もう少し先に行ったところにいい場所があるよ」と教えてくれた。アカヤシオを写真に撮りに来た人だった。何枚か写真を撮ってから平坦な道を行くと直に櫓を組んだ展望台のある広場に出た。この辺がツツジ平といわれる所だろう。
右(東)から塔の沢コースが合流している。 ここで1回目の休憩をとった。ヨーゼフとクーに水とおやつをあげた。私たちも水分を補給した。 賽の河原を後にして、ヨーゼフとクーのリードを外して、足元に笹が生い茂ったカラマツの林、白樺の林をを抜けて行くと突然塔のある雨量測定器のある場所に出た。 やや下ってから腰まで丈の長い笹原の中を緩やかに登っていくと2ヶ所、再び賽の河原のような場所を通過。目の前に小丸山(小袈裟)が袈裟丸山の前衛となって立ち上がっている。
左手の斜面にはアカヤシオが咲いていてピンク色に染めている。 小丸山は左に巻き道があるけれど、私たちは今回初めてなので最初から小丸山を通る積りだった。 15分ほど登って行くとやがて小丸山の頂上に出た。5、6人が休んでいた。 ここからは北側が見渡せ、袈裟丸山全体は無論のこと、その右手には皇海山と庚申山、その間には雪を被った日光白根山。その右には山襞に残雪のある男体山の大きな山容が。日光白根の左に見える山は燧ケ岳か(ちょっと定かでない) 袈裟丸山の上空をヘリが旋回していたら、2、3人の人が話していたけど、どうも昨日遭難があったらしい。 景色を堪能して小丸山を下る。 下りは登りよりやや急だった。巻き道があるので良いけど、帰りにここを登り返さなければならないとしたらちょっときつそう。 10分ほど下ると黄色いカマボコ型の避難小屋がある広場に出た。ここにはトイレもあったけど扉が開かなかった。 ここから目の前には再び小丸山ぐらいのピークが立ちはだかっていた。 腰丈以上もある笹の中を登っていく。ピーク近くで踏み跡は左に巻いて行った。ホッ! ピークを回り込むと今度は下って行く。もう袈裟丸山本体に取り付けるかと思ったけどそうは問屋が卸してくれなかった。 下りきると登り返すと尾根に出てまた現れた短い登りをクリアしてやっと本体に取り付くことが出来た。 いよいよ袈裟丸山への登りが始まった。 登り始めてすぐにロープが張られた岩や木の根が張り出した急登が待っていた。
尾根に出るとそこは笹原だった。傾斜が緩くなり笹原の中についた道をもうすぐ頂上と言い聞かせて進むと人の声が聞こえてきた。 山頂は結構広かった。 一等三角点に挨拶してから日陰を求め一本の木の下にシートを敷いて大休止。 ヨーゼフとクーに食事と水をあげ、私たちもお湯を沸かしカップ豚汁とおにぎりをパクついた。
小丸山で一緒だった人がやってきてひとしきり犬の話をした。今日出会った人達は皆さんヨーゼフとクーにとても好意的で声を掛けてくれたり可愛がってくれた。シワセダナー(ヨーゼフ&クー談) 行く予定はないけど、後袈裟丸方面を見に行った。前袈裟の降り口は木の根が大きく隆起し足場が悪い。でもシャクナゲがいっぱいあり開花の季節は素晴らしいだろうと思った。いつか行ってみたいと思わせた。でも犬連れはどうかな?山頂には前袈裟と後袈裟の間の八反張コルは風化が激しく通行禁止の立て札もあったし。
3時までには下山したかったので我家には少なめの昼食休憩で下山開始した。 先に下山開始した登りも会った年配の登山者に「またワンちゃんに抜かれちゃうなー」と声を掛けられてしまった。 ロープの張ってある場所を慎重に下り、避難小屋から小丸山を右に巻き道を進んだ。道が分かりにくい所が2ヶ所あったけど順調に小丸山下まで行けた。 巻き道は小丸山の西側を通るのだが、ここのアカヤシオが数も多く最盛期だった。山頂からの眺望も良かったけど、巻き道のアカヤシオも捨てがたい。巻き道大正解、もちろん体力的にもだけど。 雨量観測地を過ぎてそろそろ疲れたので賽の河原で休もうと思ったが、おかーさんが展望台で休もうと言うので展望台で休憩をとった。まっ2、3分の違いだけど・・・。 私は櫓の下のベンチでヨーゼフとクーの相手をしていたけど、おかーさんは櫓に昇ってみていた。 ここでも山頂であったご夫婦の登山者に「あらっ速いねー」と声を掛けられた。「犬は元気だけど人間はバテバテです」と返事した。犬連れなので目立つのだろう。
ツツジ平を過ぎて樹林帯を抜けたところで、登山道外(岩場の見晴し・休憩ポイント)から突然ガサガサという音が。クーちゃんがビックリして吠えたけど、女の人だと分かると尻尾を振って愛想を振りまいていた。 登山口近くの分岐では往きに南回りを通ったので今度は北回りを通った。こっちの方が距離が短い分やや急だった。 2時43分、無事登山口に戻った。 いい山だった。いつかまた訪れたい。今度は郡界尾根を後袈裟までシロヤシオを観に・・・ ヨーゼフとクー、5時間も良く歩いた。それに今日は一度も抱っこをねだらなかったものね。
大涌谷までは3時間ぐらい掛かるだろうと5時半に家を出発予定。
久し振りにレガシィで行くのでヨーゼフとクーはカーゴルームのクレートに入ってもらう。クーは「ハウス」の指示で素直に入るが、ヨーゼフは相変わらずささやかな抵抗を見せる。それでも渋々クレートに収まり無事予定通り我家を出発した。 府中街道から川崎街道を走り、菅生を抜けて東名川崎ICへ。意外と道路が空いていて順調にICまで行けた。 東名を一走りで厚木から小田原厚木道路へ。平塚PAでヨーゼフとクーをクレートから出して散歩させた。 再び本線に戻り箱根口ICから国道1号線を湯本、小涌谷を経て大涌谷へは予定より早く8時に着いた。 駐車場には私たちより先には2台しかなく、駐車するところは好きなとこが選べたので登山口に近いところへ。
駐車場からは青い空に富士山、右に金時山、左には愛鷹山の峰々。早速富士山を背景にハイッパチリ。 駐車場の係の人と話したら、大涌谷の規制が解除されてから大分ハイカーが入っていると言っていた。 支度をして登山口に向かう。 正面右手に噴煙地(茶店がありここの黒玉子が妙に美味しい)を見て石段を上がり、延命地蔵の前を通って登山道入り口から入って行く。 始めは舗装された大涌谷自然研究路を行く。左手柵の外はいたるところで噴煙があがっている。 右に曲がり噴煙地の茶屋に向かう研究炉(現在通行止め)と別れ、登山道は斜面に入って行く。
硫黄の臭いがする中を尾根に向かって進んでいく。抉れて水路みたいになった登山道は黄みがかった岩がゴロゴロしている。所々に水切りのための丸太で作った水路が登山道を横切っている。溝はクーが入れるぐらい幅があり、これがクーにはちょっと渡りにくい。サポートしてクリアしていく。 登山道には「噴気孔が危険なので絶対にコースを外れないように」と注意書きがある。また有毒ガスの観測器?もところどころにあり、中に警告灯の付いたものもあって黄色(注意)、赤色(即下山)の説明があった。
左手には早雲山へのロープウエーが通っている。その先には明神ヶ岳?、振り返る(北)とポコンとした金時山から乙女峠・鉄塔のある丸山・長尾峠に続く山並み。その先に富士山、その左(進行方向右)に愛鷹連峰の越前岳が見渡せる。 右に急激に立ち上がっている最初に登る冠ヶ岳を見て登って行くと、やがて登山道は樹林帯に入って行く。 段々急になってきた道を登って行くとミツバツツジが目を和ませてくれる。ふと足元を見るとところどころにイワカガミが小集団で咲いている。ここのイワカガミはヒメイワカガミ(白い花)、ベニヒメイワカガミで、イワカガミと言えば他にはコイワカガミの名前しか知らない私には白い花は新鮮だった。
クーが苦戦しながらも一生懸命頑張ってくれたので、ややコースタイムより遅れ気味ではあるけど30分弱で早雲山方面との分岐に出た。気温は高いけど湿度が低いのかそれ程大汗をかかないので助かる。 ここからはほぼ尾根伝いに進んで行く。今までよりもやや急になってきた。イワカガミも多く見られるようになった。 分岐から15分ほどで登山道は二つになり一方通行になり、左の登り専用コースを行く。一段とイワカガミが咲いている。 登山道は所々荒れていて抉れている。木の根も露出しているところがある。 樹林帯の中を歩いているので眺望は望めない。
まだ冠ヶ岳分岐に出ないのかな?なんておかーさんと話していると、傾斜が緩みほぼ平坦になると右に梢の間に冠ヶ岳が見えてきた。 自然林の快適な平坦な道を行くとそのうち赤いペンキの剥がれた柱が2本立っていた。コース図を見ると赤い鳥居と記してあるけど、柱上の横に渡す木(笠木と言うらしい)がない。良く見ると鳥居かなとわかる。 ここからほんの少しで分岐に出た。 冠ヶ岳はここを右にちょっと登った所らしい。道標には冠ヶ岳に5分と書いてある。 事前に山頂は木々で眺望はないと分かっていたけど折角だから登って行く。
分岐から入ったところに祠があり、そこから左に神山を見て最後にちょっと登ったところが山頂だった。 道標に書いてあった通りホントに5分で着いた。これもまたホントに眺望もなく狭いアセビとツツジの山頂だった。 ここで今日初めての休憩をとった。 ヨーゼフとクーはもちろん私たちも水分を補給する。それと少しのおやつも。 長めの休憩をとって分岐まで戻った。 分岐への下りは何故か登りよりも時間が掛かってしまった。途中で今日初めて一人のハイカーと出会った。 道標には神山へ5分と書いてあったがそれはないだろうと思った。だってこれから鞍部に出てそこから登るんだから・・・。
ヤブレガサいっぱいある道を行くと鞍部に出た。そこは小さな広場になっていた。 ここから神山への登りが始まった。割と急なジグザグ道を登ると10分ほどで山頂に着いた。やっぱ5分じゃ着かなかった。 山頂は樹林に囲まれた広場になっていた。 それでも東側がちょっと開け、金時山から丸山の稜線が見られた。丸山の左にはやや雲の出てきた富士山も。右に目を向けると駒ヶ岳山頂が目に入った。 写真を撮ったりしているとご夫婦らしい二人のハイカーがやって来た。 ちょっと休んで駒ヶ岳方面に下ることにした。
山頂から坊ヶ沢分岐までは200m下る。 下り始めてすぐ岩がゴロゴロした道になった。クーが苦手な道だ。すぐ後から先ほどの二人が来たので先に行ってもらう。 それからもここの下り道には苦労した。ところどころ登山道が抉れ、U字ならずV字になり甚だしいのは片足分の幅、あるいはクーちゃんの幅しかないところが何ヶ所かあった。しかも赤土で滑りやすく(おかーさんが一回滑って転んだ)マイッタ。 途中登ってくる人と2回ぐらいすれ違い、40分弱で防ヶ沢分岐の十字路に出た。 ここを左(東)に行けば早雲山へ右に行けば防ヶ沢、真っ直ぐだと駒ケ岳に出る。
分岐から先に進むと突然前が開け広場に出た。目の前に新緑に包まれた駒ケ岳、振り返るとやはり新緑の神山。今まで樹林帯ばかりだったのでホッとした瞬間だった。 再び樹林帯に入り駒ヶ岳山頂を目指して登り始めた。 登り始めてすぐ下りてくる若い3人のグループと会った。ちょっと話をして7、8分行って橋を渡った先で、また道が二つに分かれ一方通行になった。右側にチョロチョロ水の沢がある登りコースを行くと大きな岩がありクーは右を巻いて行く。 20分足らずで分岐に出た。真っ直ぐ行くと駒ケ岳ロープウエーへ、私たちは左の元宮神社への道を進む。
ここからは樹木がない笹原の丘を緩やかに登って行く。今日一番の気持ちいい道だ。 5分ほどで山頂の広大な広場に着いた。 とりあえず神社に行く。赤で縁取られた元宮神社は修理か塗り替えか足場が組まれて職人さんが働いていた。 南側に行くと芦ノ湖が見下ろせるけど面倒なので四角い石がいっぱいある広場に戻って昼食にした。 山中ではほとんど人に出会わなかったけどさすがにここは平日とはいえ人が出ていた。ただしほとんどが二つあるロープウエーの駅周辺、芦ノ湖側だが・・・。 天気もいいのでゆっくり休んだ。でも、もし天気が悪かったらここは寒そうだ。
今日のお昼は稲荷と豚汁。神山を前に、うーん美味い。ヨーゼフとクーもお水を飲んでジャーキーを食べてのんびりした。 上空には薄い雲が出てきた。富士山も白い雲を纏わりつかせている。 愛鷹連峰も南北に北の越前岳から愛鷹山までうっすら春霞が掛かっている。気温が高くなっているのだろう。 1時間ほど休んで十字路まで戻った。 途中で小学6年生の団体が登ってくるのに出会い脇によってやり過ごした。何人もの子がヨーゼフクーを見て可愛いと触っていった。 帰りはヨーゼフとクーのリードを外してあげた。私たちも犬もリードをつけない方が楽だし安全。 登りと同じ時間をかけて防ヶ沢に着いた。この十字路を道標に従い右にお中道(3キロ弱)を行く。 笹の茂った樹林帯を緩く下って行く。等高線をみると分岐の1,240mから一旦1,140mまで下り、再び早雲山分岐1,240mまで登って行く。 スミレが咲いた、時には背の丈ほどの笹の間を24、5分ほど行くとヒノキの森に突入した。今日初めてのヒノキ、まるで奥多摩。 あるところにモグラみたいな木片があった。先に歩いていた私が「モグラだよー」と言っておかーさんの足元に蹴ってやると足をバタバタさせて思いっきり真剣に怖がっていた。もちろん怒られました。スミマセンでした、悪戯が過ぎました。この他に25センチぐらいの小さい蛇が2度ほど私の前で林に逃げ込んで行った。幸いなことにおかーさんは後から来たので2度とも気が付かなかった。残念!見たらどんなリアクションをしたことか・・・。 やがてヒノキの森も終わり自然林に戻る。道もほぼ平坦になると早雲山分岐に出た。 ここで一休み。 休んでいると駒ヶ岳に登るとき出会った3人グループが大涌谷分岐から通り掛った。一人がシーズーを飼っていて、携帯のディスプレイ画面で見せてくれた。営林署の人達で防ヶ沢方面に帰るとのこと、一般は入れない林道があってそこまで車で来たそうだ。しばらく話してお別れした。 大涌谷分岐までは10分程度。途中にはイワカガミが群生している所があった。こちらのイワカガミは白い花はなかった。 ちょうど通り掛った去年もこの時期に来た人が、今年は少ないと言っていた。 硫黄の臭いがして来ると、もう大涌谷分岐はすぐだった。 大涌谷分岐からは朝登ってきた道を大涌谷まで戻った。ヨーゼフとクーには分岐を過ぎ登山口が見えたところでリードをつけた。
大涌谷が見えてくると出発時とは大きく様変わりした光景が目に入った。駐車場は満杯、多くの人で賑わって。平日でこうだから土日はさぞかしと思う。 登山口に戻ると、ベンチで一休み。早速、自然研究路入り口のお店で黒玉子を買っていただきまーす。次にソフトクリームもいただき満足でした。 出会った方々皆さんヨーゼフとクーに好意的で、ヨーゼフとクーが冠ヶ岳、神山、駒ヶ岳を登ってきたと言うと皆さんビックリすると同時に感心していました。 帰途、前夜テレビで見た湯本の「みつき」というお店で「げんこつ揚げ」と「ひょうたん漬け」を買った。5センチぐらいのホントの瓢箪をしば漬けにしたもの。面白いのでお土産にした。結構ミーハーかな? 今回のコースは樹林帯で眺望があまりなく、登山道も抉れたところが多く(特に神山〜防ヶ沢分岐)期待したほどではなかった。 でもイワカガミの群生、気持ちいい駒ヶ岳の笹原はとてもよかった。何より天気が良く駒ヶ岳からの眺望は素晴らしかった。 |