2008年02月の山行記です

 久し振りに山登りに行きました。2月中旬になってもまだ2回目ということはここ何年もなかったことです。何で今年は少ないんだろう?
 今回はおかーさんのリクエストで「金時山」です。
 金時山は2001年に初めて登ってから今回で6回目ですが、真冬に登るのは初めてです。雪がどのくらい積もっているか分からなかったので、もし無理だったら途中から引き返すつもりで出かけました。

金時山  1,213m 2008年02月14日(木)
天気:晴れ
到着時間 出発時間 区間時間 休憩時間 総合時間
 足柄峠(736m) 9:40
 ゲート 10:16 10:16 0:36 0:36
 猪鼻峠(962m) 10:40 11:00 0:24 0:20 1:00
 金時山 11:58 12:45 0:58 0:47 2:18
 猪鼻峠 13:35 13:45 0:50 0:10 3:55
 ゲート 14:05 14:05 0:20 4:25
 足柄峠 14:40 0:35 5:00
 合計時間 3時間43分 1時間17分 5時間00分
東名高速大井松田IC付近から

 5時に起きて支度をしていると、珍しくクーちゃんが早起きして私の部屋にトコトコやってきた。
 そのうちヨーゼフも起きてきて全員集合。
 6時過ぎに我が家を出発。途中コンビニでおにぎりを買っていく。コンビニのおにぎりは海苔がパリッとして美味しい。

 天気は上々、気持ちよく晴れ渡っている。多摩川を渡る是政橋から富士山が見えた。
 川崎ICから東名高速で大井松田ICまで行く。渋滞もなく順調に走行して行く。
金時山(矢倉沢近辺で)

 厚木を過ぎると右前方に「大山」が見えてくる。やがて真っ白な富士山が山並み越しに顔を出す。
 大井松田ICを出て県道78号線を足柄峠へ向かう。ICを出てすぐ酒匂川に掛かる足柄大橋を渡る。ここからは1月に登った「矢倉岳」が見える。

 矢倉沢辺りで左前方に「金時山」が見えてくる。矢倉岳にはほとんど雪がないけど、金時山は山肌が白くなっている。ややっ、予想より雪が多そうな予感。
 地蔵堂を過ぎると九十九折の道になる。日陰の部分には雪が凍って残っている。登りは良いけど下りは嫌だなと思いながら万葉公園を経て足柄峠に到着。
雪道を出発

 ここを左折して林道に入る。するとすぐに右にカーブしているが、路肩に通行止めの標識が。
 グリーンシーズンならばこの林道をさらに進んでゲートのあるところまで行かれるのだが・・・。ゲートからは確か20分ぐらいで猪鼻峠まで行かれた記憶がある。

 林道を入った所の駐車スペースには4台停まっている。その並びに駐車して支度をする。
 ヨーゼフとクーの肉球にクリームを塗ってあげる。このクリームは雪や氷から守ってくれるのだ。天然素材なので舐めても平気だし、肉球だけでなく脚やお腹の毛にも塗れる。これで少しは冷たさから守ってくれるだろう。    
今日のコースをスクロールイメージで

 支度をしていると一人の登山者が下山してきた。
 ヨーゼフとクーを見て「上の急斜面は雪が多いので犬には無理だよ」とアドバイスしてくれる。無理だったら引き返す予定なのでそう返事した。

 予定より遅れて9時半を過ぎての出発となった。
 グリーンシーズンのコースタイムは1時間30分。今回は雪道なので2時間を見込んでいる。休憩を入れて何とか12時には山頂に着ければと歩き始めた。
 大きく轍が抉れた林道を最初やや下って行く。5分ぐらいで広場になったところに出ると、そこに2台の車が駐車していた。入ってくる車もあるんだ。
猪鼻峠手前、林道のビューポイントで

 でもここからは完全に白一色の世界になってきた。

 この広場から林道は登りになった。
 もう完全に雪の世界をヨーゼフとクーは元気に歩いて行く。
 夕日の滝からの道を左に合わせるころ右側が開け富士山が姿を現した。7、8合目?辺り、南側横に小さい雲があるけど裾まで晴れた空にしっかり見えている。山頂に着く頃は雲が涌いているかも知れない、早速写真を撮っておいた。

 金時山に初めて登ったときはこのコースだったけど、その時はゲートまで車が入れたのでゲートまでどのくらい掛かるか分からない。
猪鼻峠から望む金時山
 大体30分ぐらいだろうと予測した。これがなかなかゲートに着かない。
 轍があって歩きにくい、なだらかに登る雪道を進んで行く。暑くなって山シャツを脱ぐ。

 予定した30分を過ぎてやっとゲートに到着した。ここからは一般車は通行止め。
 ゲート手前の駐車スペースにランクルが1台駐車していた。あの深い轍にも負けずここまで走ってきた根性に脱帽。
 ゲートからは雪なしで20分だった不確かな記憶がある。もう少しで猪鼻峠だ。
猪鼻峠で(マウスをおくとみんなで)
 ゲートの横を通り抜けて先へ進む。ここまでよりは傾斜がややきつくなってきた。
 しばらく進むと後ろから金時山のTシャツを着た長靴の人が私たちに速いペースで追いついてきた。道を譲って先に行ってもらう。
 このころ前方には一人の登山者が見えてきた。

 足柄峠をスタートしてからちょうど1時間で猪鼻峠に着いた。
 猪鼻峠には夕日の滝からのコースが左側から上がってくる。
 西側が開け御殿場の向こうに富士山がその広大な裾野を広げている。でも先ほどあった南側の雲がいくらか大きくなり、富士山に掛かってきていた。良かったさっき写真を撮っておいて。

もう雲が掛かった富士山
 先ほど見えた登山者とここで一緒になり、話をすると金時山にはもう千回以上も来ているとのこと。
 さらには山頂から撮った北岳の写真を見せてくれた。ここ猪鼻峠からもちょこんと頂が見えた。感激!金時から南アルプスが見えるとは思っても見なかった。
 そのうち3人の登山者がやって来た。話をしていた登山者と親しく挨拶をしている。自然みんなで話をしているともう一度びっくりした。
 それは後から来た人たちも金時山を同じく千回以上登ってることもあったがもうひとつ、その中に以前テレビで観た人がいたのだった。教職を退いてから富士山を登り始め、天候がよければ毎日のように登っている人だ。それも富士山を5合目から2時間半から3時間で登り、下山してから帰りがけに金時山を登るという凄い人だ。足元は長靴だった。
ヨーゼフ、おかーさんを置いて来た

 みんなお互いを怪物だと言っていた。
 しばらく話をして記念写真を撮ったところで皆さんは出発して行った。

 皆さんが発ってから私たちもここで、土踏まずに付ける小さな6本爪の超簡易アイゼンをつけて出発した。
 先ほどの登山者が上の方は雪がサラサラしていてアイゼンがあまり効かないよと言っていたが無しではこれから先の急登は登れないのでこんなものでも少しは役に立つだろう。ダメなら潔く撤退!

金時山からの眺望(マウスで南ア拡大します)
 猪鼻峠から一旦下ると、右に山頂への荷揚げ用リフトの小屋がある。
 この先に鳥居がありここから急登が始まる。

 雪が深くなるが踏み跡がしっかりして底を歩いていれば沈むことはない。
 そのうち梯子みたいな階段が現れてくる。この階段は全部で10ヶ所ぐらいある。
 尾根を登っているので所々細いところや片側が切れ落ちているところも出てくる。
山頂で(マウスで金時茶屋)

 登山道は段々急になり、階段でないところもしっかり踏みつけないと滑ってしまう。この超簡易アイゼンは爪先、踵には届かない上に雪がサラサラになってきたので慎重に登って行く。
 そのうち階段に雪が積もって斜面になってきた。しかも下は凍っているのでヨーゼフとクーは4輪駆動とはいえ、ずり落ちて登れなくなってきた。
 こうなったらしようがない、抱いて行くことにした。

 そのうち急でやや長い階段が現れた。クーを抱いて、片手で手すりを掴み登ろうとしたが急なため滑ってしまい登れない。さぁどうしよう。試しにクーを置いてみると動かなければずり落ちない。
山頂で

 そこでクーを上に置いては登って、また置いては登って何とかクリアできた。ふぅ~。

 そんなこんなであと少しで山頂までやって来た。
 でもここで下りの事が心配になってきた。登りはまだ良いものの、下りはもっと危険だ。おかーさんと下山は仙石原の金時神社へ下りて、足柄峠に置いた車はタクシーででも取りに行こうかなどと話したほどだ。

 最後の短い階段を登ると金時茶屋(有名な金時娘の茶屋)が見えた。登山道は緩やかになり、小屋の手前に犬(確かシェパード)がいるのでヨーゼフとクーを気付かれないようにそ~っと歩いてに山頂でた。
クーちゃん、ザックの中に(マウスで)


 山頂には2、3人の登山者が休んでいた。でも金時茶屋の中には登山者がいっぱいいた。
 小屋前にはテーブルとベンチが設置されているけど積雪でベンチの脚は雪の中、座るところだけが雪の上に出ている。テーブルがベンチにちょうど良い感じだ。
 小屋は金時茶屋と金太郎小屋の2つあるが、私たちは金時茶屋の前のテーブルに陣取った。
 初めて知ったのだが、「金時山」は別名「猪鼻山」とも言われたらしい。茶屋の前にその謂れを記した看板があった。
 テーブルはコンロ使用禁止になっているのでお湯を沸かせない。でもテーブル以外は雪で休むところがない。しようがないので茶屋のうどんを食べることにした。

心配そうなヨーゼフ
 ヨーゼフとクーにジャーキーをあげている間におかーさんが金時茶屋に行ってうどんを一杯買ってきた。
 金時娘(娘?)一人で切り盛りしていたので随分時間が掛かってどんぶりを持って出てきた。具もいっぱい入って「美味しそう」と私は早速どんぶりを持って湯気の上がるうどんを食べ始めた。でもすぐに箸は止まった。残しては申し訳ないので無理におかーさんに食べてもらった。美味しそうだったんだけどな~。

 そのうち茶屋から一組のご夫婦が出てきて、ヨーゼフとクーを見ると「いいね~こんなとこまでつれて来てもらって、幸せだね」と言って旦那さんにヨーゼフとクーの写真を撮らせていた。金時神社から登ってきたそうだ。
明神ヶ岳(猪鼻峠で)

 早く下山しようと思っていたけど結局長居してしまった。
 富士山にはもう雲が掛かって山頂は見えない。3時前には下山したいので12時45分に下山開始した。
 ヨーゼフとクーはザックに入れて行くことにした。

 歩き始めてすぐクーがザックから落ちそうになった。幸いおかーさんがカンガルー袋を持ってきていたのでそれ入れ替えた。でも体の前になるので足元が見えにくいのでホントはザックの中がいいんだけどしようがない。
 それでも両手が空くので抱えているより全然歩きやすい。
 心配した階段の下りも両手が使えるので安定して降りられた。急なところにはロープが張ってあるので補助になる。それでも雪がサラサラで例のアイゼンが効きにくい。凍ってる場所もあり緊張が続く。
1月に登った矢倉岳(万葉公園付近で)


 登りは後ろになるので見えないけど、下りはずっと先に雪を頂いた丹沢の峰々が見える。
 慎重に歩を進め鳥居が見えたときはホッとした。
 鳥居を過ぎればもう危険はない。登り返して猪鼻峠に出る。ここで一服。南(東南?)に明神ヶ岳が見えたので写真を撮った。

 猪鼻峠からは轍の付いた歩きにくい林道を下る。
 朝通った広場にはまだ1台の車が残っていた。金時茶屋で長居しているのだろう。
 広場からは雪が大分融けて轍はアスファルトが見えていた。ここでアイゼンを取った。
 グチャグチャになった林道を5分ほど登って足柄峠の駐車スペースに戻った。
丹沢主脈と大山(右端)


 帰り支度をしていると足柄城址から下りてきた犬を連れた家族がヨーゼフとクーを見てやってきた。
 可愛い柴犬だったけどヨーゼフと挨拶を交わしていると突然ヨーゼフに噛み付いてきた。咄嗟にヨーゼフを抱き上げて事なきを得たけどビックリした。幸い傷は負わなかったのでホッとした。
 向こうの飼い主さんも恐縮していたけどあの柴ちゃん何が気に入らなかったのだろう・・・

 今回は今まででの「金時山」では一番厳しい山だった。
 でも無事に登って来られて、ちょっとした雪山気分?も味わえたので楽しかった。



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