2005年8月の山行記録です


安達太良山   1,700m 2005年8月6日
天気:曇り時々晴れ
1日目(16日) 到着時間 出発時間 区間時間 休憩時間 総合時間
 ゴンドラ山頂駅 11:30
 仙女平分岐 11:35 11:35 0:35 0:35
 安達太良山 12:32 13:05 0:57 0:33 1:32
 仙女平分岐 14:21 14:21 1:16 3:21
 ゴンドラ山頂駅 14:55 0:34 3:55
 合計時間 3時間22分 0時間33分 3時間55分

ひょんなことから『安達太良山』に行くことになった。
 前からの予定では、東雲ハイキングクラブの特別例会で「飯豊山」に行くはずだったのだが、スケジュールの変更で我家にはちょっと厳しいので遠慮させて貰うことになった。

 折角の3連休なので海にでも行きたかったが、おかーさんが「海は嫌!山の方がいい」と言うので、いろいろ伊豆のペンションを調べたけど、海はご破算にして山に行くことになった。じゃ何処にする?と、家族会議の結果、みんなが行っている東北にしようと決定。前から何となく気になっていた『安達太良山』に行こうとなった。

 結局1日休みを追加、4連休にして東北の山々を巡ることになった。幸い、磐梯・猪苗代にはペットOKのペンションが多数ある。五色沼の近くの「きこり」に2泊予約。どうせならのんびりして来ようとさらに1日休みを追加、5連休にして、猪苗代の「パスタイム」にもう一泊予約した。今回も先週の日光白根同様ロープウエーを利用した省エネ登山を楽しむ予定。

 【1日目】

木道を行く

6時に家をスタート。私たち夫婦の荷物より若干多めのヨーゼフとクーの荷物を積み、トランクを一杯にして愛車「レガシィB4」は快調に走る。
 大泉インターから外環道へ、川口ジャンクションで東北道に入り、一路二本松へ向った。途中2ヶ所で休憩をいれ、10時前には順調に二本松インターを出た。
 一般道を安達太良高原(奥岳登山口)へひた走り。他車の走っていない高原道路を高度を上げていく。

 安達太良高原の駐車場には30分ほどで到着。駐車場にはかなり車が停まっていたが、かなり広いので難なく停められた。

 早速支度してゴンドラ乗り場に行った。下山は歩く手もあったが初日でもありゴンドラを利用することにして、1600円の往復券を買ってゴンドラに乗り込んだ。約6分で標高1,350mまで私たちを運んでくれる。

 山頂駅には駅と一緒のレストハウスがあるだけだ。水を補給して早速出発。広場の端っこにある登山道を進む。

岩混じりの登山道を行く

すぐに現れる薬師岳の分岐を過ぎると木道になる。周りはアジサイやシャクナゲ、五葉マツ囲まれている。シャクナゲはもう花はないけどアジサイはまだ咲いている。

 木道が終わっても依然周りの木が視界を遮り眺望はない。暑い!

 やがて岩混じりの小広い台地にでる。正面に安達太良山が見えてくる。まあーるい穏やかな山容だ。
 ちょっと先に仙女平からの道を合わせ再び樹林帯に突入。ここであとから来たゴールデンレトリバー連れの若いご夫婦に道を譲る。

 道は右に回りこみ、やがて足下は岩だらけになって来た。同時に周りの木も丈が低くなり見晴しが良くなって来た。

安達太良山

30分ほど歩いたろうか、山頂へ直登の広い場所に出た。道が何本も出来ている。ここから見ると、山頂の岩山が見える。
 ちょっと登ったところでヨーゼフとクーに水を飲ませた。風が気持ち良い。ただカミナリがきたら怖いだろうな。

 ザレ場の歩きにくい道を山頂目指して黙々と歩く。今まで人がいなかっのだが、周りを見ると大勢の登山者が一緒に登っていた。

 山頂は広く、一本の立派な標識が建っていた。標識の先に岩山がありそこが最高地点のようだ。とりあえずその岩山に登った。

 岩山の上はそれほど広くはなかった。本当に小さな祠があり石柱が建っている。
 見晴しが良く熱くなった体に風が心地良かった。ここで昼食休憩をとり、ヨーゼフとクーにもジャーキや水をあげた。

山頂で

30分ほど上にいて下山することにした。岩山をヨーゼフたちを抱いて無事に広場に下り立った。

 ここでアクシデントが発生した。おかーさんが足を滑らせて転んでしまった。痛そうな顔をして我慢するおかーさん。「大丈夫歩ける」と言うのでちょっと捻っただけだと(実際はそうではなかったことがあとで分かった)山頂標識で写真を撮り、とにかく下山を開始した。

 おかーさんの足取りが重い。左足を引きずって歩いている。ゆっくりゆっくり歩いて何とか山頂駅までたどり着いた。

 ゴンドラを降りて、レストハウスのテラスで一休み。二人とも持って来ていなかったのでストックを一本買って杖にして駐車場まで歩いた。

 車に乗ると土湯峠を越えて裏磐梯のペンションに向った。途中、猪苗代の町に行き、薬屋に行き湿布薬を買い、病院に行った。診断の結果、くるぶしに2センチぐらいのひびが入っていた。亀裂骨折していたのだった。ペンションに着いた頃にはおかーさんの足は脹れて痛々しかった。
 それにしてもおかーさんの気力には感心した。これだけの怪我をしても我慢して歩き通した根性にはただただ敬服するのみ。頑張りました、おかーさん。

 「きこり」さんには素泊まりの家族が一組だけだったので、夕食は私たちだけだった。料理は食べ切れないほどほどだった。オーナーはまだ23歳の若い好青年で、一緒に酒を飲みながらスキー(彼はグランデコでパトロールをしているとのこと)の話や山や食べ物の話をしてついつい飲みすぎてしまった。またまた部屋に入るなりバタンキューだった。こうして1日目の夜は更けていった。



西吾妻山   2,035m 2005年8月7日
天気:晴れ
1日目(16日) 到着時間 出発時間 区間時間 休憩時間 総合時間
 北望台(ロープウエー頂駅) 10:40
 かもしか展望台 11:00 11:00 0:20 0:20
 大凹水場 11:23 11:23 0:23 0:43
 梵天岩 11:50 12:08 0:27 0:18 1:10
 天狗岩(神社) 12:18 12:18 0:10 1:38
 西吾妻小屋 12:32 12:32 0:14 1:52
 西吾妻山 12:42 12:45 0:10 0:03 2:02
 天狗岩 12:59 12:59 0:14 2:19
 梵天岩 13:06 13:20 0:07 0:14 2:26
 大凹水場 13:33 13:33 0:13 2:53
 かもしか展望台 13:54 14:06 0:21 0:12 3:14
 北望台(ロープウエー頂駅) 14:17 3:37
 合計時間 2時間50分 0時間47分 3時間37分

【2日目】

カラマツソウとワタスゲ

明けて2日目、ドライブでもしようかと思っていたが、おかーさんが「クーちゃんを見ているので折角だからヨーゼフと登ってらっしゃいよ」と言うのでお言葉に従いヨーゼフと『西吾妻山』に行くことにした。

 ヨーゼフとクーの散歩のあと、しっかり朝食をとって登山口の「天元台スキー場」へ向った。桧原湖畔のくねくね道を米澤方面に進み、桧原湖の北端から九十九折れの山道を行き、標高1,400mの白布峠を越えて白布温泉の手前を右折すると天元台は直ぐだった。それにしても高いところを通ったものだ。

大凹

ロープウエー乗り場の駐車場に車を停め、支度をして乗り場へ。ここはヨーゼフも子供料金の切符を買い、乗り場でおかーさんとクーに別れを告げロープウエーに乗り込んだ。クーがボクは?というようにずっと私たちを見ていた。ゴメンねクー、おかーさんをよろしく。

 標高1,350mの山頂駅に着き外に出ると昨日と違って晴れていたが涼しかった。レストハウスもいっぱいあってアルプホルンやヨーデルの演奏など催し物があるようだ。
 おかーさんに電話してこっちに来るといいよと連絡しようとしたが、ずっと留守電になっている。あとで聞いたら下は電波状態が悪く特に建物の中は圏外になっていたそうだ。

 ここからさらにリフトを3本乗り継いで北望台から登り始めるのだが、このリフトが2人乗りでヨーゼフと乗るのには良いのだが、遅いのなんのって高速リフトが当たり前の今ではホントに時間が掛かった。冬に吹雪かれたらたまらないね。でもグラススキーを見物したり、花を見たりでそれ程退屈はしなかったし、おかーさんにも何回かかけてやっと電話が通じたので遅いのも良しとしなけりゃ。

リンドウとアザミ

30年も前におかーさんとここにスキーに来た時とほとんど変わってないのじゃないかと思う。さすがにその時は1人乗りのリフトだったけど…。

 乗換えを含んで40分近く経ってやっとリフト終点の北望台へ着いた。狭いところで直ぐに森林だ。

 靴の紐を結びなおし、勇躍ヨーゼフと樹林帯に分け入った。木の根や岩を乗り越え他に人がいないので熊避けにヨーゼフと話しながら登って行くが、おかーさんがいないのでヨーゼフが時々止まって振り返っていた。今日は二人だけだよと言って先を急いだ。

梵天岩

やがて傾斜が段々きつくなったが、30分の辛抱と言い聞かせ先へと進んでいった。最後の急登を登りつめると岩のゴロゴロした台地に出た。かもしか展望台に着いたのだ。ガスが掛かっていたが道は分かりやすかった。
 
 休まずに進むと道は下りになり直ぐに木道になった。更に下るとやや開けたところに出た。正面に西吾妻山(実は梵天岩&天狗岩のある台地状のピークだった)が見える。左に人形石方面への道が分かれている。一組のご夫婦が休んでいた。挨拶して先へ進んだ。両側にはワタスゲやカラマツソウが咲いている。

 木道が切れると視界がパッと開け、湿原が眼に飛び込んできた。大凹(おおくぼ)のお花畑だ。丸太が敷かれた階段を下りて大凹に入って行く。
 再び木道になり、ワタスゲやコバイケイソウ、シャガ?、オオバミゾホオズキ?などが目を楽しませてくれる。ここでは休んでいる人が大勢いた。

 大凹を縦断すると水場があった。流れ落ちる上で私が、下でヨーゼフが、並んで一緒に飲んだ。美味かったなー。

 まだ1時間も経っていないので水を飲むともう少し行こうとヨーゼフに声を掛け先へ進んだ。

ホシガラス

ここからは岩場になり、たびたびヨーゼフを持ち上げて進んだ。前が開けて、オッここが「梵天岩」かと喜んだのも束の間、再び木道が現れ、緩やかな傾斜を登っていく。やがて前方に岩山が見えてきた。天辺には人が立っている。あれが梵天岩だと頑張って進んだ。

 最後の右から回り込むように岩場を乗り越えると梵天岩に着いた。ここには大勢の登山者が休んでいた。

 私たちもここで休憩した。携帯でおかーさんと連絡を取る。お腹も空いてきたので、ヨーゼフにおやつをあげたり水を飲まし、わたしも小さいアンパンを一つ口に入れた。風が通って気持ちが良い。かもしか展望台から大凹への下った道が見通せる。ふと見ると松にホシガラスがとまっていた。

 20分ほど休んで天狗岩に向った。丈の低い木の間を通りふけるとまたまた岩のごろごろした広場についた。先のほうに立派な祠が見える。何も考えずにそちらに向った。――これが間違いだったことにあとで気がついた。

天狗岩の吾妻神社

 祠には「吾妻神社」とあった。写真に収め直ぐ脇の登山道を下る。先行者に3人のグループがいたので一緒に進んだ。登山道は直ぐに緩やかな木道になった。そのままどんどん進んで行くと右前方に赤い屋根が…。アレッ、あれは西吾妻小屋ジャン!3人グループのリーダーらしき人と私が同時に道を間違えたことに気がついた。

 どっちみち山頂からの下りには小屋回りで戻ろうと思っていたのでまッいいやと気を取り直して最後の登りに掛かった。樹林帯を行くと10分ほどで山頂に着いた。

 事前に山頂は眺望がないと分かっていたが、ホントに樹林の中に一本の標識が立っているだけのつまらない山頂だった。

山頂

3人グループと写真を撮りあって直ぐに下山を開始した。実はここでも私はミスってしまった。私のカメラでヨーゼフと一緒を撮ってもらったのだが、スイッチをオンにしてなかったので結局写っていなかったのだ。コンパクトデジはスイッチオンにしないと被写体が見えないが、デジ一眼はオフでもファインダーから見えるのだ。親切に2度撮ってもらったのに何たること!でもこのときはそんなこととはつゆ知らず…。トホホ。

 予定と逆コースで天狗岩に出ると、梵天岩への道はすぐそばにあった。神社に真っ直ぐ行ったのが間違いだったのだ。
 再び梵天岩で休憩し、あとはひたすら下った。岩場はヨーゼフを抱いて団体さんを追い抜き大凹へ、水場でまた一口?飲んで、ここからヨーゼフに歩いてもらってかもしか展望台へ。休まずに行こうかと思ったが別の団体さんが休んでいたのでつられて休んだ。ヨーゼフに水をやり少し休ませ、当然私もタバコを一服。

 さて行こうかと思ったら団体さんに先に行かれたので少し間をあけて出発。結局、北望台手前で追いついてしまい混じってぞろぞろリフト乗り場へ。リフトの係員さんが気を利かせてくれて「ハイッ犬を連れた方先にどうぞ」と声を掛けてくれたので「お先に失礼」と一番最初に乗せて貰った。

梵天岩にて

相変わらず遅いリフト(当たり前、下りだけ早いわけがない)にやきもきしながらも3本乗り継いでロープウエー乗り場に向うとおかーさんがこちらにビデオを向けて出迎えてくれた。ヨーゼフはおかーさんに、クーは私にうれしそうにしていた。

 レストハウスのテラスでお腹が空いていたのでお蕎麦を一杯頂いてから、ロープウエーに乗って麓へ戻った。

 白布峠を越えた辺りから雨が降ってきたが、ペンションに着く頃にはやんでくれた。

 夕食はテレビでサッカーの試合を見たいので生ビールを2杯だけにしたのだが、オーナーが2合徳利をサービスしてくれたのでご好意に甘えうっかり飲んでしまった。結局頑張ったもののサッカーは前半しか見られず、あとは爆睡してしまった。アーア懲りない人だね。

磐梯山   1,819m 2005年8月8日
天気:晴れ
1日目(16日) 到着時間 出発時間 区間時間 休憩時間 総合時間
 八方台登山口 9:10
 中ノ湯跡 9:38 9:38 0:28 0:28
 休 憩 10:12 10:26 0:34 0:14 1:02
 弘法清水小屋 11:03 11:20 0:37 0:17 1:53
 磐梯山 11:46 12:05 0:26 0:19 2:36
 弘法清水小屋 12:26 12:48 0:21 0:22 3:16
 中ノ湯跡 13:30 13:30 0:42 4:20
 八方台登山口 13:45 0:15 4:35
 合計時間 3時間23分 1時間12分 4時間35分

【3日目】

 夜中にふと目覚めると雨が降っていた。このまま雨が降っていれば今日はのんびりできるなーと思いながらまた寝てしまった。

コオニユリとソバナ

朝目が覚めると雨は上がっていた。朝食前に「今日は登らなくてもいいよ、観光でもしようか」と言うとおかーさんに「予定通り磐梯山に行ってらっしゃい」と叱咤激励されてしまった。

こうなりゃしょうがない、3日連続山登りと行くか、と気力を奮い起こす。縦走で3日連続山の中にいた事はあるが、3日連続毎日山登りをやるのは初めてだ。

 朝の散歩で初めて磐梯山の全容を見られたが、生憎カメラを持っていなかったのが残念だった。ペンションに帰ってカメラを持ち出したが、もう山頂付近にはガスが掛かっていた。まっどこかでまた見られるだろうと部屋に戻る。

ナデシコとマルバダケブキ

朝食を済ますと二晩お世話になったオーナーにお礼を言って登山口の八方台に向った。途中に磐梯山のビューポイントがあったので頭の方しか見られなかったけど一応写真に撮った。

 八方台に着くともうかなりの車が停まっていた。バスも2台停まっている。今日も大分人が入っているなと思いながら支度をする。
 ここは山の中なので下りてくるまで連絡は取れないが、2時には戻ってくるよとヨーゼフと出発した。

 最初は緩やかな車が通れる広さの林道を行く。相変わらず最初はヨーゼフが止まっては振り返る。ペースは遅いが着実に進む。

アジサイにいたセミ

30分ほどで前が開け廃屋が2棟見えてきた。硫黄の匂いが漂ってくる。中ノ湯跡だ。硫黄で濁った池を横に見ながら先を進む。一旦木道になった。道端にコオニユリが咲いていた。木道は短かくすぐに終わった。

 廃屋を右に回り込んで山道に入り、左に裏磐梯からの道を合わせた辺りから登りになってきた。ここから本格的な登りで、ヨーゼフもジャンプして登るところが多くなって来た。途端に汗が噴出してくる。

 尾根筋は次第に傾斜がきつくなるが、時折左側が開け風を受けられた。ただ下は断崖絶壁だ。前方には崩落した山肌が無残な姿を見せている。

 1時間ほど歩いて2度下ったところで休憩した。ヨーゼフと水分を体に補給して一息ついた。

 10分ほど休憩して再び登りだす。ここからは登り一途だ。時々右側が開けたところもありホッとする場所もあった。

危ない岩

休憩から20分ほどで分岐点に着いた。右行くと弘法清水へ直接行ける。左はお花畑を通って同じく弘法清水へ至る。

 私たちは左に道をとり、お花畑経由で弘法清水へ向った。少し行くと樹林はなくなり丈の低いアジサイや花たちの道になった。アジサイにセミがとまっていた。珍しいので写真に撮った。

 この道は風が通って気持ちが良い。周りにはソバナやナデシコ、黄色の花をつけたふきの仲間、ウスユキソウに似たヤマハハコ?などが咲いている。特にナデシコは群生していて眼を楽しませてくれた。

 前方には崩落した山肌がありその対照的な景観に時を忘れるほどだ。

 裏磐梯からの登山道と合わさるとお花畑と別れ、弘法清水への登りとなる。この登りはすぐ終わり、弘法清水小屋に着いた。

ウスユキソウ

小屋前のテーブルの一つに陣取り、そばにある弘法清水を飲みに行く。この水は冷たくてとても美味しかった。ヨーゼフにも器に入れて持ってきて飲ませてあげた。

 ヨーゼフにはジャーキーを私はチョコレートを食べながら休んでいると、女性が寄ってきて「ワンちゃんを連れていいですね」と話しかけてきた。「私も連れてきたいけど、うちの○○チャンは駄目だからねー」と羨ましがられてしまった。

 一休みして山頂を目指すため弘法清水の脇にある登山道に向うと、登ってきたばかりの子供づれの若いお母さんが「アッ、いたよ白い犬が」と子供と叫んできた。
 話してみると八方台でうちのおかーさんと話して、「上に行ったら白い犬を連れたおじさんがいるからね」と言われていたとのこと。

 子供に「先に上に行って待ってるよ」と別れ、登山道を登り始めた。これが結構きつくて、距離は500mぐらいなのだが、下りて来る人たちとの待ち合わせもあり、予想以上に時間が掛かってしまった。

山頂で

途中、下りて来る女性7、8人ののグループとすれ違った際、女性達はヨーゼフを見て「わぁー可愛い」と歓声を上げたが、リーダーらしき年配の男性に「本当は犬を連れて来ちゃいけないんだ」と言われたので、「うちの子は悪いことはしませんよ」と言うと、「オシッコをすると植物に影響があるんだ」などと分かったようなことを言う。
 ちょっとムッとしたので、ヨーゼフは登山道でしかオシッコをしないし、もちろんウンチをしたら持って帰っている。人間は登山道を外れてオシッコなんかをするし、花を踏んづけたり、折ったり、はたまた食べ物を包んだビニールやなんかを捨てていく非常識な輩もいるじゃないか。うちの子はそんなことはしないぞと言ってやろうかと思ったが、無視してやった。

 これ以外は会う人みんなに、ヨーゼフには好意的な声を掛けて貰っていただけに、ちょっと気分が悪かった。
 何はともあれ25分ほどで山頂に到着した。山頂は岩だらけで、一番天辺に小さな石の祠が鎮座していた。

猪苗代湖

生憎ガスが掛かっていて、猪苗代湖や桧原湖はくっきりとは見えなかった。
 写真を撮ったりしていると先程の子供達が登ってきた。ちょっと話をして私たちは先に下りることにした。

 小屋に着きカップめんを買って外のテーブルで食べ終わる頃、にわかに辺りが暗くなり、雲行きが怪しくなった。
 すると突然大粒の雨が降り始めた。急いで小屋の中に避難する。カミナリも鳴り始めてヨーゼフは私の膝の上で丸くなって震えていた。
 そうこうするうちにどんどん登山者が避難して来た。隣に座ったご夫婦の奥さんが、「私はどんな犬にも吠えられちゃうの、でもこの子はおとなしくて賢いね」と話しかけてきた。ヨーゼフは元々人には吠えないし、まして今はカミナリが怖くてそれどころじゃない。

 雨は10分も経たずにやんでくれたので出発することにした。

 下山はお花畑は通らず、直接分岐点に向った。どしゃ降りがあったのでヨーゼフは抱いて下山開始した。案の定、登山道は水が流れ、所によっては沢のようになっていた。

桧原湖

ヨーゼフを抱いて速足でどんどん下っていった。来るときに休憩した辺りで、腕が疲れてきたのと抱いているとバランスを崩した時に危険なのでカンガルー袋を出してヨーゼフを入れた。

 夢中で歩いて、何組も追い抜いて1時間足らずで登山口に帰ってきた。登山口にはおかーさんとクーが待っていてくれた。「こんな何にもないところ(トイレと東屋しかない)で退屈したろう」と言うと「登る人たちや下りてきた人たちと話をしていたし、昼寝もしたから平気だったよ」とおかーさん。

 今日の泊まりは猪苗代スキー場近くのペンション「パスタイム」。
 まだ時間が早いので行く前に五色沼に行ったり、磐梯山の写真が撮りたくて「きこり」の前を通ってグランデコまで行った。でも結局磐梯山は頭を出してくれなかった。残念!

 「パスタイム」は周りが畑の所にあった。冬は雪のドッグランになるそうだ。玄関脇にはお湯も出るワンちゃん用の洗い場があり、タオルも大量に用意してあり、ドライヤーも用意してあった。廊下にはコロコロや消臭剤を始め至れり尽くせり、お風呂も脱衣場までは犬を連れて行ける。さすがにペット連れ専用のペンションだ。

ヨーゼフとパスタイムのバンくん

夕食時には小型犬から大型犬まで勢揃い。でもみんな静かにテーブルの脇や下でおとなしくしていた。ヨーゼフやクーも最初はちょっと興奮していたが、直ぐに慣れたのかおとなしくしていた。ホッ。

 翌朝はホスト犬の「バン」クンと記念写真を撮り、パスタイムをあとにした。

 どっかに寄ろうかと思ったけど、あまり行きたそうなところもないし、おかーさんも歩くのが大変なのでちょっとその辺をドライブして帰路に着いた。


 今回はおかーさんのケガがあったけど、幸い動けないほどではなかったので一安心。何とか3日連続の山登りは達成できた。
 登山口で待っていてくれたおかーさんとクー、ありがとう。ヨーゼフは良く頑張ったね、おとーさんより立派だったよ。
 おかーさんのケガが直ったら、クーちゃんも一緒にまたみんなで山歩きしようね。

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