 
ゴゼンタチバナ ワタスゲ
《１日目》
東雲ハイキングクラブの例会で『尾瀬アヤメ平』に行った。
尾瀬は何度も行っているが、アヤメ平は初めてなので楽しみだ。それに調べてみると、週末の尾瀬は混雑するけど、アヤメ平は比較的空いていて静かな山歩きができそうだ。荒廃した湿原も多くの関係者によって復元が図られ、近年その姿が戻りつつあると聞く。
当然水芭蕉は大きな葉っぱだけになっているだろうが、ワタスゲや昨年同様ニッコウキスゲも見られるかなと期待が高まる。
天気予報も、土曜日は晴れ、日曜日は曇りマークだが雨の心配はなさそうだ。
集合場所の新宿に行くと、もうメンバーは大分集まっていた。今回参加できない加藤さん差し入れのビールを飲みながらバスの発車時間を待った。
総勢２３名のメンバーを乗せたバスは定刻の１１時に出発した。
池袋に寄って何人かの乗客を乗せ、練馬から関越道へ。途中上里ＳＡで休憩して、あとは休まず尾瀬戸倉へ向かった。
いつも夜行はバス・電車を問わず眠れないので、今回はわざと寝不足にしていたのだが、結局寝不足を上積みしただけだった。
ただ戸倉には早く着きすぎてしまったので、時間調整のため１時間近くバスの中で寝る事ができたのは幸運だった。
《１日目》
空が白みはじめ、回りがざわざわし始めて来た。他のバスも隣に停まっている。
お弁当をもらって（東雲ＨＣのお知らせを良く見なかったので、我家は朝食を持って来ていたのだ。あーあ、荷物が増えちゃった）マイクロバスに乗り換え、尾瀬の入り口、鳩待峠へ向かった。
鳩待峠には５時過ぎに着いた。休憩所前広場のベンチは登山者でいっぱいだった。
私たちもベンチに腰掛け朝食をとり出発に備えた。
６時前、至仏山に登る３名と尾瀬ヶ原を散策する１名を除いた１９名が『アヤメ平』に目指して出発した。
休憩所裏の木の階段を登り樹林帯に入る。木道や木段の緩い登りが続く。途中で一組のグループが休んでいたのでパスする。
ウグイスがさえずる中、眼を下に移すとゴゼンタチバナがあちこちに咲いている。
小１時間ほど歩いたところで小休止。そこから１０分ちょっとで目の前が開け湿原が広がる。
横田代と表示板がある。ワタスゲが一面に咲いている。タテヤマリンドウやイワカガミ、ウラジロヨウラクも咲いている。
至仏山や遠く平ヶ岳、巻機山などが望めた。景色を眺めてしばし時間を忘れる。
このころからちょっと雲が出てきた。ここから中原山を越え、目的地の『アヤメ平』には７時４０分頃到着した。
木道脇の休憩ポイントで一休み。アヤメ平はまだ復元中で、木道脇にもムシロで養生中のところが何ヶ所か見られた。
コーヒーでも沸そうかと思ったが、休憩場所が一ヶ所しかないので、富士見峠の小屋まで行くことにした。
正面に燧ケ岳を見ながら進むと、右下に富士見下からの林道が見え隠れする。
前方に富士見小屋の青い屋根が木々の間に浮かんでいる。
道が左に回っていくと左側がちょっと開けてくる。道端に一輪のアヤメが咲いていた。
アヤメ平の由来は他の植物をアヤメと間違えて命名したそうだ。でもここにアヤメが、それも一輪だけ咲いていたのは、誰かが移植したのだろうか？
竜宮への分岐点（富士見田代）を通過すると道は右にカーブ、木の階段を降りていくと峠の富士見小屋に着いた。
何人かの登山者が休憩していた。きれいなトイレはあったが、ベンチ等はないのでコーヒーはやめて竜宮へ向かうことにした。
木の階段を登り分岐点まで戻った。ここに池塘越しに燧ケ岳を展望できる。
尾瀬ヶ原に向かっていよいよ下りが始まった。尾瀬ヶ原は標高1,400mなのでアヤメ平からは約600ｍの下降になる。
最初は緩やかだった木道も中間点を過ぎると木道がなくなり次第に急になり、岩や階段も出てきた。そのうち木の間から尾瀬ヶ原が見えてきた。
1時間ほど降りてきたところで沢の左岸に出た。隊列がながーくなったのでここで休憩を取り後続を待った。
休憩地点からは30分も掛からず竜宮に着いた。森林地帯から目の前が開け尾瀬ヶ原に出るとやはりホッとした。
至仏山グループも来ているかと思ったがまだ着いていないようだ。竜宮小屋の手前、東電小屋方面との分岐点近くの休憩ポイントで大休止となった。
コーヒーやら行動食をとったり、天気がいいので昼寝をしたりで、1時間以上長居してしまった。
『三條の滝』を見に行きたいメンバーもいたので、至仏山グループとは会えなかったけど、見晴しの今日の宿「桧枝岐小屋」へ向かった。
ゆっくり花を見ながらそれこそのんびり木道歩きを楽しんだ。途中の小さな川には岩魚がゆったり泳いでいた。小屋に着いたのはお昼をちょっと過ぎたころだった。
「桧枝岐小屋」に着くとザックを部屋に置き、カメラと水を持って今度は『三條の滝』へ出発した。
私は眠りたかったけど、夜眠れなくなっちゃうと困るので、行くことにした。結局三條組は7名となった。
温泉小屋を快調に通過。やがて木道はなくなるが道は緩やかで歩き易い。
12時51分に『平滑ノ滝』に着いた。ここで写真を撮ったりして５、６分費やした。
ここから道は急になり、手摺りのない急な木段も出てきたので慎重に下る。
温泉小屋から３０分ほど歩いたところで沢を渡る。水が冷たくて気持ち良さそうだった。
御池方面への分岐を過ぎるとまもなく左手に滝が見えてきた。ものすごい急な階段を降りると展望台だった。
以前来た時は水量がすごくて飛沫が掛かるほどだったが、今日はそれ程の水量はなく滝の中程の岩も見えていて、何とか三條かなという感じだった。
なかなか素晴らしい滝だ。写真を撮ったりして１５分ほど休憩した。
空身なので帰りの登りもそれ程苦にならず、平滑ノ滝で一休みして温泉小屋には２時半に着いた。
元湯山荘でカキ氷を食べ体を冷やし３０分ほど休憩後、「桧枝岐小屋」に向かった。
行きは２２分の道のりを３２分かけてゆっくり小屋に戻った。
小屋に着くと、残っていたメンバーと至仏山組とで小屋の前のテーブルで酒盛り？が始まっていた。早速仲間に入り喉を潤したのは言うまでもない。
お風呂に入り、美味しい夕食を平らげたあと一部屋にみんなが集まった。
今月スイスにも一緒に行く予定だった、病に倒れ入院中の山仲間に激励の寄せ書きを色紙に書いたり、再び軽くアルコールを体にしみ込ませたりして、９時過ぎに爆睡に入った。
ながーい一日はこうして過ぎていった。
《２日目》
明けて２日目。５時前に目が覚めた。空いていて一部屋４人で寝たのでホントぐっすり寝ることができた。
外を見ると朝靄で真っ白だったと。それでも小屋の前は行き交う登山者で結構賑やか。
そのうち少しずつ靄が晴れてきて周りが見渡せるようになってきた。低いところは晴れて、尾瀬ヶ原の上山の中腹辺りまでは靄で山の天辺は明るい。
カメラを持ってサンダル履きで外に飛び出しカメラマンにヘンシーン。
山肌に靄がかかる至仏山。靄がかかる尾瀬ヶ原。燧ケ岳に昇る朝日（これは失敗した。残念！）
朝食後、「弥四郎小屋」の喫茶室でコーヒーを飲み、見晴しを出発したのは７時過ぎだった。
今日は見晴し～沼尻～尾瀬ビジターセンター～三平下～三平峠～一ノ瀬～大清水のコース。去年とまったく同じコースだ。
良く整備された緩やかな木道を登って行く。さすがにこのコースはアヤメ平に較べて登山者が多い。
途中１回１０分ほどの休憩を入れ、白砂峠を越えて岩のゴロゴロした登山道を下る。
昨年来たときは峠を下り終わったところに季節外れの「水芭蕉」が咲いていたが、今年は残念ながらなかった。
がっ、白砂田代に出ると木道からかなり遠くにありました、一株の水芭蕉が。
少し行くと池塘にサンショウオが何匹か泳いでいた。その先の池塘にもやはり何匹かいた。
白砂田代を通過して、小川沿いの木道を行くとやがて尾瀬沼の沼尻休憩所に着いた。
休憩所は大勢の人で賑わっていた。３０分ほど休み、ビジターセンターに向かった。
途中一箇所だけ咲いていたシャクナゲやヤマツツジを写真に収めながら、ビジターセンターには１０時に到着した。
センター前に望遠鏡が設置されていたので覗いてみると、燧ケ岳の山頂にピントが合っていて、人がいっぱいいるのが良く見えた。
燧ケ岳を右に見ながら先を行き、尾瀬沼越しの燧ケ岳のビューポイントで写真を撮ったりして三平下まで来た。
まだ時間が早いので再び大休止してから、三平峠の登りを行き２０分ほどで三平峠を通過。こから３０分ちょいで一ノ瀬の休憩所に着いた。
生ビールで一息つき、あとは大清水までの林道をひたすら歩き、１時ちょうどに大清水に到着。近くの旅館のお風呂に入る人もいたが、狭くて３人ぐらいしか入れないので、水道の水でタオルを濡らし体を拭いてから、レストハウスで生ビールを飲んで（もっと本格的に飲んでいたメンバーもいたが）２時５０分発のバスで東京に向かった。
尾瀬は年々木道化が進みとても歩き易くなっている。そのうち登山靴よりスニーカーの方がよくなるかも…。
今回は２日間とも晴れ、特に２日目は快晴！ 天気に恵まれた楽しいハイキングだった。
さて、２週間後はいよいよスイスだ。今から楽しみだなー。
ヨーゼフ、クー、またお留守番をお願いしますね。チョコレートはダメなのでお土産はチーズかな。 |
ハクサンチドリ
 イワカガミ
コバイケイソウ
トキソウ
 アヤメ平
 アヤメ平
富士見田代から燧ケ岳
三條の滝
 ？ 誰か教えて下さい
ネコノメソウ
ミズバショウ
ギンリョウソウ
シャクナゲ
沼尻のワタスゲ
三平下への途中で
オダマキ |
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